akiraの体操観戦記

体操競技を応援するブログです!

谷川翔選手が2連覇達成!2019全日本個人総合選手権男子決勝

全日本個人総合選手権、決勝、高崎アリーナに観に行ってきました。
今日はゴールデンウィーク初日の日曜日ということで、東京駅から新幹線の指定席をとっていましたが、
上越新幹線が停電で運転を見合わせていて、復旧の目処も立っておらず、大混乱でした。
しかたなく上野東京ライン高崎行きで2時間かけて行きました。
12時5分に高崎アリーナに到着し、演技の開始から見ることが出来たのは奇跡でしたね
上越新幹線は11時に運行を再開したとのことでしたが、大幅に遅れていたでしょうし、それを待ってたら間に合わなかったと思うとぞっとしますね。

高崎アリーナでは、上越新幹線の遅延の影響を感じさせないくらい会場満席でした。
東京オリンピックの花形である体操競技の期待と人気の高さを感じました。

26日の予選では内村航平選手の衝撃の予選落ちがありました。
決勝は内村航平選手不在の中、他の選手が優勝を狙って熱い戦いを繰り広げました。

優勝 谷川翔選手 170.265(予選85.566 決勝84.699)
2位 萱 和磨選手 169.328(予選84.664 決勝84.664)
3位 武田一志選手 169.197(予選84.699 決勝84.498)
4位 野々村笙吾選手 168.763(予選83.732 決勝85.031)
5位 谷川航選手 168.430(予選84.765 決勝83.665)
6位 前野風哉選手 168.397(予選84.865 決勝83.532)
7位 橋本大輝選手 167.962(予選83.931 決勝84.031)
8位 柚木健太郎選手 167.130(予選83.698 決勝83.432)
9位 千葉健太選手 167.029(予選84.266 決勝82.763)
10位 荒屋敷響貴選手 166.263(予選83.465 決勝82.798)
11位 杉本海誉斗選手 165.929(予選82.531 決勝83.398)
12位 山本翔一選手 165.795(予選82.064 決勝83.731)
12位 三輪哲平選手 165.795(予選82.697 決勝83.098)

優勝は谷川翔選手。
美しく正確な体操、今日も光ってました。
あん馬はベルキ(E)に加えて新しくアイヒホルン(E)、開脚シバド移動(E)、開脚マジャール移動(E)を取り入れた攻めた構成で安定感と美しさ、強さ感じました。あん馬全体2位の14.800(D6.4 E8.4)!
鉄棒は手離し技ヤマワキ1つだけで、降りも伸身ムーンサルトチェコ式車輪は滑らかで見事でしたが、最終種目鉄棒の最終演技者の演技としてはさすがに物足りなさを感じました。
コールマンを入れるなど、これから全日本王者に相応しい鉄棒を作り上げてほしい。
これだけ波乱があった全日本で予選、決勝含めてミスを出さず、正確に体をコントロールした谷川翔選手には、ニュータイプの個人総合王者の姿を見ましたね。
2連覇おめでとうございます\(^o^)/

萱和磨選手が2位。
持ち味の高い難度ながら、ミスを出さない粘り強い体操、サバイバル展開となった全日本個人総合選手権の中で光ってました。
他の種目を強化してきた代償なのか、あん馬にかつての飛び抜けた爆発力がなくなった感はありますが、その分安定感が上がってますね。あん馬は全体8位の14.166(D6.2 E7.966)
つり輪は全体6位の14.100(D6.1 E8.000)。あん馬とつり輪両極端のこの2種目が両方とも強いのも萱和磨選手の強さを支えてますね。

武田一志選手が3位。
つり輪のスペシャリストのイメージが強い武田一志選手ですが、個人総合で3位に入ってきたのは驚きです。
得意のつり輪は力強かったです。着地もピタリ!14.500(D6.1 E8.4)

野々村笙吾選手が4位。
去年のアジア大会個人総合2位、国際大会でも力を発揮できる実力者の野々村笙吾選手、
今日だけの6種目合計では85.031とただ一人85点台をだして1位。
つり輪のちから強さが凄かった。つり輪全体2位の14.733(D6.0 E8.733)
平行棒でもしなやかな演技。全体4位の14.633(D6.2 E8.433)
強かったです。

谷川航選手が5位。
得意の床の着地良かったです。全体4位の14.300(D6.0 E8.300)
平行棒は全体2位の14.766(D6.2 E8.566)
跳馬は大技ブラニクでしたが、今日は尻もちとなってしまい得点を伸ばせませんでした。全体19位の14.200(D5.6 E8.6)
鉄棒では、昨日落下したモズニク(E)で落下。やり直して成功させるところはさすがでした。13.000(D5.5 E7.5)
世界選手権ではエース級の活躍が期待出来る選手なだけにNHK杯では修正してノーミスの演技を見せてほしい。

20位の神本雄也選手の平行棒。
ヤマムロ(G)決めてきました。リチャード(E)やアームツイスト(E)、前振り上がり系の技を入れて難度上げてましたね。
Dスコア6.8は中国の鄒敬園選手に迫る高さのDスコアで凄いです。
14.966(D6.8 E8.166)は本日の平行棒の全体1位の得点でした。

心配なのが、去年の2位なのに最下位の30位になってしまった白井健三選手。
ワールドカップ東京大会でも足の怪我で床の難度を落としていましたが、今大会はその時以上に苦しんでますね。
鉄棒ヴィンクラーとコバチと2回の落下。鉄棒35位の11.300(D5.4 E5.900)を出してしまいました。
得意の床もシライ3やシライ2を抜くなど、Dスコア6.3と白井健三選手にしては難度を落とした構成ですが、リジョンソンを決めるなど、十分に高難度。実施も良く、全体2位の14.533(D6.3 E8.233)。
実施がよかった割には採点厳しくやられた感じですね。
足の怪我しっかり治してもらって、NHK杯、全日本種目別での巻き返しに期待です。

期待の若手選手としては、
12位の三輪哲平選手。
順天堂大学に進学しましたね。1年生。
平行棒はマクーツ(E)、モリスエ(D)、バブサー(E)と多彩な技が入った演技見事でした。
全体3位の14.700(D6.3 E8.4)
鉄棒はカッシーナ(G)、伸身トカチェフ~開脚モズニク、伸身新月面宙返り降りの着地ピタリ!
着地微動だにしない演技強かったです。14.200(D6.2 E8.000)
一昨年は国際ジュニア優勝、去年は高校生にして、スーパーファイナル2位の超新星の三輪哲平選手。
跳馬のロペスは今日は2、3歩後ろに動いてしまいましたが、ロペスハーフ(D6.0)も練習しているとのこと。
若いだけに伸び代が一番ある選手なので、東京五輪に向けて期待大です。

17位の北園丈琉選手。
去年ユース五輪5冠の超新星
あん馬の開脚旋回、こんなに腰の位置が高くて大きい開脚旋回は素晴らしいです。
あん馬全体12位の14.100(D5.5 E8.6)
平行棒、ササキ(E)新しく入れてきましたね。北園丈琉選手らしい美しい実施。驚きました。
バブサー(E)も入って軽やかな演技素晴らしかった。
平行棒全体7位の14.533(D6.3 E8.233)

期待の若手どんどん力をつけてますね。日本の新しい力として頑張ってほしい!

種目別枠で注目の選手。
跳馬の米倉英信選手。
自信の名前がついた「ヨネクラ」通称ロペスハーフを実施!
速い助走から鋭いひねり、超大技を僅かに弾む程度に抑える素晴らしい実施でした。本日の全ての種目で最高得点となる15.200(D6.0 E9.200)出ました!
跳馬は自分が観戦していたプレミアムシートの目の前だったので、超大技決まるところしっかり見れて感激でした。2本目のヨー2(D5.6)も決めて14.766!
2本目の得点が出るのを座ってじっと見つめていた米倉英信選手、得点が出ると納得したようにコーチと頷いていました。

あん馬では亀山耕平選手がワールドカップで優勝した演技を披露!
ブスナリ(F)を軽やかに決めると長い手足映える美しい演技!マジャール移動、シバド移動も開脚で行い、降り技を決めると納得の出来に亀山耕平にしては珍しく静かにガッツポーズ!点数は15.166(D6.9 E8.266)!新ルールになってから滅多にお目にかかれない15点台に場内どよめきました。

鉄棒では前田楓丞選手。
カッシーナ、屈伸コバチコバチ、コールマンと美しく決めて、着地もピタリ!凄かった!
全体2位の14.500(D5.9 E8.6)

床では南一輝選手。
単発のシライ2を決め、高い難度のひねり技を次々と決める、ハイレベルな演技でした。
得点は14.633(D6.4 E8.233)と白井健三選手を抑えて床全体1位の高得点でした。

種目別スペシャリストのハイレベルな演技は、体操ニッポンのレベルの高さを感じますね。

今年の全日本個人総合選手権、谷川翔選手、萱和磨選手、谷川航選手といった若い実力者たちが台頭して、混戦の代表争い見応えがありました。

その一方でやはり、決勝は内村航平選手不在の寂しさと物足りなさを感じました。
今まで体操史上最高の選手の演技を目の前で見続けられたことは凄いことだったんだなと改めて思います。
特に毎回、大会の締めとなる最終演技者内村航平選手の鉄棒、あそこまで会場の期待に応える奇跡としかいいようのない素晴らしい演技と着地は競技の枠を超えた感動がありました。
今回、肩の怪我もあって、予選落ちとなってしまいましたが、しっかり治してもらって、強い内村航平選手が戻ってくるのを願っています。

あと、内村航平選手もそうですが、今まで体操ニッポンが団体金メダル争いをする原動力となっている白井健三選手も怪我の時期と国内予選が重なってしまいこの国内予選苦しい戦いになっています。
本来世界で金メダルを取ってきた実力者なだけになんとか代表に入ってほしいです。

体操の技が高度化してきて、世界トップを目指すとなると高い難度の技をたくさん盛り込まねばならず、故障と隣り合わせになる難しい時代になってると感じます。
中国では、フィジカル専門のトレーナーを付けて故障予防トレーニングを行っていたり、様々な角度から選手をサポートしているとのこと。
この辺を日本も取り入れて、選手が怪我をしないように万全のサポートをしてほしいです。

東京五輪が翌年に迫っていて、中国だけでなく、ロシアもWエースの台頭で本当に強かったころの力を取り戻してきているだけに、今年の世界選手権は相当厳しい戦いが予想されます。体操ニッポンの正念場、頑張ってほしい!
NHK杯は3週間後の5/18、19ですね。団体金メダル奪還を見据えた素晴らしい演技を期待です。
がんばれニッポン\(^o^)/