akiraの体操観戦記

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2019全日本個人総合選手権得点まとめ

2019年全日本体操個人総合選手権上位10位までの得点(決勝のみ)をまとめてみました。
表をクリックすると大きいサイズの表が見れます。

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予選との合計で1位となったのは谷川翔選手、決勝の個人総合得点は84.699。6種目のDスコア合計は34.3。
去年の全日本選手権はDスコア合計34.1でした。去年と比較して、ゆか0.3、あん馬0.3とDスコアをアップ、鉄棒は0.4Dスコアを落としていますが、今回の予選はコスミック半分ひねりを入れるなどDスコア5.5だったので、本来予定していた6種目合計Dスコアは34.7だと思われます。正確な体操で新ルールになり減点の厳しくなっている各種目を高いEスコアとってますね。ゆかの後方3回ひねりで大きな一歩出してしまったのが、唯一目立った減点でしたね。
 
2位は萱和磨選手、決勝の個人総合得点は84.664。6種目のDスコア合計35.3。
去年の全日本選手権はDスコア合計35.6でした。去年と比較して、床で0.1、あん馬で0.2Dスコアを落とした構成でしたが、安定感ありましたね。それでも今大会で一番高い6種目合計のDスコアを通していたのはさすがでした。
去年の世界選手権ゆかで種目別決勝に残るなど、世界での評価も上がってきているので、頑張ってほしいです。
平行棒の降り技前方かかえ込み2回宙返り半ひねり降り(F)で他の選手に比べて、足を開いてしまうのが、課題でしょうか。
 
3位は武田一志選手、決勝の個人総合得点は84.498。6種目のDスコア合計34.0。
6種目の合計Dスコアは全日本上位の中ではそれほど高くないですが、丁寧な実施が光りました。
床のEスコア8.433は評価高いですね。見せ場のつり輪は力強い演技で14.5!
 
4位は野々村笙吾選手、決勝の個人総合得点は85.031。6種目のDスコア合計34.6。
実は決勝だけみれば1位の得点だしてるのが野々村笙吾選手。
去年の全日本選手権はDスコア合計33.8でした。去年と比較してあん馬で0.5、平行棒で0.4もDスコアをアップ、つり輪で0.1Dスコアを落としていますが、Eスコアは去年より0.4とつり輪自体の得点は大幅に上がっています。
去年のアジア大会個人総合では、中国勢に割って入る銀メダルを獲得するなど、世界大会での強さに定評のある野々村笙吾選手、ベテラン勢が新ルールに苦しむ中でも新ルールに対応出来て高得点出してます。
 
5位は谷川航選手、決勝の個人総合得点は83.665。6種目のDスコア合計35.0。
去年の全日本選手権はDスコア合計決勝が34.7、予選が35.1でした。
去年の予選からはあん馬で0.1Dスコアを落とした構成でした。
Dが同じでもつり輪で蹴上がり中水平に技を変えるなど、新ルールでも減点されにくい技を意識して構成しています。
跳馬でも決勝は失敗ありましたが、決まればEスコアがロペスより減点されにくいブラニクを個人総合でも使ってきますね。
鉄棒で去年構成に入れていたチェコ式車輪を抜いて他の技に変えているのも試行錯誤が伺えます。
手離し技モズニクが予選、決勝と落下があり、この順位になっていますが、やり直しはきれいに決めていました。
着地が強い谷川航選手。今回の上位陣の中でも全て演技を通した場合、最高得点がとれる期待の選手だけにNHK杯は頑張ってほしい。
 
参考までに去年の2018年世界選手権ドーハ大会の個人総合決勝7位までの得点がこちら。

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2018世界選手権ドーハ大会
世界トップは87点台の戦いになっています。
 
こちらは4月に行われた2019ヨーロッパ選手権個人総合決勝、1位2位の得点です。
躍進が著しいロシアのニキータ・ナゴルニー選手、アルトゥール・ダラロヤン選手は今年4月に行われたヨーロッパ選手権で、さらにDスコアを上げた演技を見せました。
ニキータ・ナゴルニー選手(ロシア)は床の得点を0.2上げてDスコア6種目合計36.3。Eスコアが高い選手でありながら、なんと36点台の極めて高いDスコアを通しきり、88.665の新ルール後の世界最高得点を叩き出しました。驚異です。
この大会は2位だったものの、2018世界王者のアルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア)は、跳馬でリセガン2(屈伸ドラグレスク)、平行棒ではG難度の新技となる前方屈伸2回宙返り半ひねり降りを成功させています。
得点を見ると跳馬のリセガン2(D6.0)は屈伸と認定されず、D5.6のドラグレスクで採点されているもよう。
それにしても世界王者でありながら超大技に挑戦する姿勢は驚異ですね。
同じ大会でないので、単純にEスコアの比較は出来ませんが、世界トップのレベルは相当上がってる感じですね。
 
 
リオ五輪で日本が団体金メダルをとってから3年しか経ってませんが、世界の体操勢力図はロシアの復活で変わってきてますね。
 
国内予選の全日本選手権リオ五輪金メダルメンバーが怪我で苦戦するなか、今年の世界選手権も厳しい戦いになると思います。日本も楽しみな選手、個人総合にも種目別にもいますので、NHK杯、全日本種目別といい演技を見せてもらって最強のメンバーが選ばれてほしい。
今年の世界選手権、来年の東京五輪は個人総合で87点台、88点台の高いレベルでの金メダル争いが予想されます。
内村航平選手は、全日本選手権予選で、肩の怪我もあり、予選落ちとなってしまいましたが、去年の9月全日本シニア選手権では、Dスコアを世界トップとも戦えるレベルの36.1までアップさせて、87.750という2018年世界選手権優勝スコアを上回る驚異的な得点を出しています。
ここまで体操ニッポンを引っ張ってきてくれた内村航平選手、万全の状態であれば世界最強なので、しっかり怪我を治してもらって、2020東京五輪では、前人未到のオリンピック個人総合3連覇を期待したいです。