akiraの体操観戦記

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3強の戦い東京五輪団体決勝得点まとめ

7月26日に行われ世界中が注目した大一番となった東京五輪体操競技男子団体決勝、ロシア、日本、中国の3強の対決を軸に振り返りたいと思います。

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東京五輪は団体が今までの5人から4人に変更され、より1人1人の総合力が重要となりました。

日本チームは2019年世界選手権代表から橋本大輝選手(19歳)、萱和磨選手(24歳)、谷川航選手(25歳)、これに加えて新たに北園丈琉選手(18歳)というメンバーで挑みました。

橋本大輝選手は個人総合でこの大会金メダルを獲得するほどのエースに成長、平行棒以外の5種目に登場し、各種目で高得点、特に最後の鉄棒は難度の高い演技構成を着地まで決める素晴らしい演技でした。

萱和磨選手はあん馬、つり輪、平行棒、鉄棒の4種目に出場、持ち味の安定感のある演技で重圧のかかる場面でも安心感のある演技で素晴らしかった。

谷川航選手はゆか、つり輪、跳馬、平行棒の4種目に出場。特に跳馬のリセグァン2の着地ピタリは爆発的な最高点を出し、日本チームの怒涛の追い上げにつながりました。

北園丈琉選手はゆか、あん馬跳馬、平行棒、鉄棒の5種目に出場。

4月の全日本個人総合で怪我をして一時は代表入りも危ぶまれましたが、驚異的な回復を見せ、大逆転代表入り、その勢いそのままにこのオリンピックでも初出場と思えない堂々とした演技で日本チームに勢いをつけました。平行棒、鉄棒のプレッシャーのかかる後半種目での伸び伸びとした演技は凄かった!

日本は262.397。1位ロシアから僅か0.103差の2位、銀メダルとなりました。

前半ロシアが高得点を連発し、かなりリードしている中、怒涛の追い上げを見せた日本が、中国を逆転し、ロシアに僅か0.103差まで迫る戦いぶりは凄かったです。

予選はロシア、中国を抑えて日本が1位だったので、完全に互角以上に戦えるところまで実力を上げてきました。ゆかと鉄棒は2位に1点以上上回って1位です。

 

ロシアはエースのニキータ・ナゴルニー選手(24歳)、アルトゥール・ダラロヤン選手(25歳)の2大エースがそれぞれ6種目に出場、スペシャリストのデニス・アブリャジン選手(28歳)がゆか、つり輪、跳馬の3種目、ベテランのダビド・ベルヤフスキー選手(29歳)があん馬、平行棒、鉄棒の3種目に出場。

金メダルのかかった最終種目ゆかは、プレッシャーのかかる演技でしたが、ニキータ・ナゴルニー選手は日本との得点差を考えて、後方2回ひねり(C)を後方3回ひねり(D)にアップグレードしてDスコアを0.1上げてくる百戦錬磨の強さを見せました。

ロシアの合計得点は262.500予選3位からの逆転金メダル、さすがでした。

つり輪、跳馬で1位の得点とってきました。

 

中国は、肖若騰選手(25歳)と孫煒選手(25歳)がそれぞれ6種目ずつ、平行棒のスペシャリスト鄒敬園選手(23歳)があん馬、つり輪、平行棒の3種目、林超攀選手(25歳)がゆか、跳馬、鉄棒の3種目を行いました。

林超攀選手が最初のゆかでいきなり大過失を出してしまったので、苦しい戦いになりましたが、あん馬、つり輪、平行棒と盛り返してくるのはさすがでした。

中国は261.894、3位、銅メダルとなりました。

あん馬、平行棒で1位でした。

 

優勝したロシアのDスコア合計は108.1、日本のDスコア合計は109.3、中国のDスコア合計は109.1。

なんとDスコアが最も高かったのは日本でした!

全選手中最高のDスコアを持つ橋本大輝選手、萱和磨選手、谷川航選手も年々各種目を強化してDスコアを上げてきました。北園丈琉選手もここ2年でDスコアを3点以上あげてきており、高いDスコア持っていますが、怪我でDスコアを抑えている種目もあるので、さらに伸びしろがあるなかで日本が1番高いDスコアをとってきたのは、強化の成果でてますね。

Eスコア合計は、ロシア155.000、日本153.297、中国153.194でした。

減点合計はロシア-0.6、日本-0.2、中国-0.4。

Eスコアはロシアが高い点とってきました。日本も強化が見える得点。大きなミスはなかったですが、上積み出来るところがいくつもあったので、そこを取りこぼしなく得点につなげていくことが、今後の課題になってくるでしょうか。

 

ここで2019年世界選手権シュトゥットガルト大会と2018年世界選手権ドーハ大会の結果も見てみましょう。

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2019年世界選手権シュトゥットガルト大会男子団体決勝

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2018年世界選手権ドーハ大会男子団体決勝

 

2018年世界選手権ドーハ大会の中国の優勝得点は256.634。

2019年世界選手権シュトゥットガルト大会のロシアの優勝得点は261.726。
世界選手権の団体決勝は5-3-3制、今回の東京五輪の団体決勝は4-3-3制となり1人少ないにも関わらず、今大会は優勝したロシア262.500、2位の日本262.397、3位の中国261.894と3カ国とも2019年の優勝スコア261.726を上回るハイレベルな大会となりました。

 

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上のグラフは2018年世界選手権ドーハ大会、2019年世界選手権シュトゥットガルト大会、2021年東京五輪のロシア、日本、中国の団体決勝得点推移となります。2018年には日本は優勝した中国と2.89点差、2019年には日本は優勝したロシアと3.567点差と大きな差がついていましたが、今回の東京五輪では0.103差まで迫りました。予選では2位に0.19差つけて日本がトップでした。

このグラフを見ても日本が2019年以降、急激に上位2カ国に怒涛の追い上げを見せているのがわかります。

リオ五輪以降、新ルールへの対応などロシア、中国に遅れをとった感のあった日本ですが、各選手の頑張りと強化が現れ、ロシア、中国と互角以上に戦える強さに成長し、東京五輪でこれだけの大熱戦を見せてくれました。

限りなく金メダルに近い見事な銀メダルだと思います。

来年からまたルールが変わり、新たなシーズンのスタートとなります。

ゆかの加点の条件など、すでにロシアに有利と思える変更も見えてきてますので、しっかり対応してパリ五輪では団体金メダル目指して頑張ってほしいと思います!

その前に来月の世界選手権北九州大会、オリンピック王者橋本大輝選手と日本が誇るスペシャリスト達の力を世界に見せつけてほしいと思います!

頑張れニッポン!\(^o^)/