akiraの体操観戦記

体操競技を応援するブログです!

日本体育大学が優勝!2018全日本インカレ

全日本インカレ、兵庫県尼崎市ベイコム総合体育館まで見に行ってきました。

お盆休みの初日、帰省ラッシュの真っ只中ということで、新幹線も満席でした。
尼崎駅から歩いて、ベイコム総合体育館にたどり着くと、会場が座りきれない観客でいっぱいでしたね。
会場が小さいということもあり、あまりにも多くの人が立ち見してました。
3時過ぎ頃会場についたので、1時50分開始のB班の演技の途中でした。
私も手すりの隙間から立ち見してました。
会場をよく見回すと、米田さんも徳洲会のコーチと一緒に立ち見してましたね。
アリーナとかじゃなくて、2階の観客席で社会人チーム名門の徳洲会監督の米田さんが立ち見とは、驚きでした。
立ち見でもエレガントな佇まいの米田さん、さすがです。

日本体育大学順天堂大学といったトップ選手が登場するC班は、5時10分からの開始でした。
4時ごろから、練習のためにアリーナに出てきた日本体育大学白井健三選手と、
順天堂大学谷川翔選手、谷川航選手、萱和磨選手、千葉健太選手といったトップ選手が姿を現すと会場が一気に華やかになります。
白井健三選手はアップから軽々とH難度の大技シライ3を成功!
この体育館の床であろうと超大技をやってきて決めてしまうところ、底知れない白井健三選手の凄さです。

C班の演技が始まり、日本体育大学が平行棒、順天堂大学が鉄棒から競技が開始されました。
第1ローテーション
順天堂大学の鉄棒
谷川航選手がトップバッター、ヤマワキ(D)、伸身トカチェフ(D)、チェコ式車輪、伸身新月面と質の高い演技!チームに勢いをつけます!
加藤裕斗選手、コールマン(E)、伸身トカチェフ(D)、リバルコ、ヤマワキ(D)、伸身新月面宙返り降りの着地を決めます!
鈴木茂斗選手、リューキン(F)、伸身トカチェフ(D)、開脚トカチェフ、伸身ムーンサルト!着地ピタリ!
萱和磨選手もチェコ式車輪など難度の高い技を決め、伸身新月面の着地を決め、ガッツポーズ!
千葉健太選手も持ち味のキレと勢いのある演技よかったです。
谷川翔選手、ヴィンクラーを決めるも、新しく入れたコールマン(E)で落下。やり直しの演技は美しい性格な実施、伸身ムーンサルトの着地は腰高で余裕で止めてきました。

日本体育大学平行棒
白井健三選手、マクーツ(E)入れてきました。さすがの演技!

日本体育大学が点数の出やすい平行棒で71.950のチーム得点
順天堂大学は点数の出にくい鉄棒で68.350、日本体育大学が3.6差で上に行きました。

第2ローテーション
順天堂大学の床
加藤裕斗選手、後ろとびひねり前方2回宙返りで尻もち。
萱和磨選手、前方屈伸2回宙返り(E)で一歩弾みラインオーバー、あとの演技はまとめ、セーフのポーズ!
千葉健太選手、前方かかえ込み2回宙返り半ひねり(E)、切れのある実施が素晴らしいです。
着地が全日本、NHK杯の時よりもよく、いい実施でした。
谷川翔選手、前方屈伸2回宙返り1/2ひねりを成功させますが、前方1回ひねり(C)~前方2回半ひねり(E)の着地が乱れラインオーバー。
谷川航選手も最初のシリーズで珍しく着地を乱し、ラインオーバー、ラストの後方3回ひねり(D)はピタリと止めました。

日本体育大学の鉄棒
白井健三選手、屈伸コバチ、ヴィンクラー、コバチ、伸身新月面の着地をほぼ止める素晴らしい演技でした。

順天堂大学は床で大過失が1人、ラインオーバーが3人と苦しみ68.05とチーム得点伸ばせず、鉄棒で68.350を出した日本体育大学との差が3.9に広がりました。

この第2ローテーションの途中に前にいたT大学の1団が撤収したために、見やすい位置に座ることが出来ました。手すり→前から2番めの座席にランクアップ♪座席ってとっても素晴らしい。

第3ローテーション
順天堂大学あん馬
この種目を得意とする千葉健太選手がブスナリ(F)でまさかの落下、ブスナリやり直すも再び落下。
ポイントゲッターが10.800と大きく得点を落とすことに。
谷川翔選手、ベルキ(E)、ブスナリ(F)を成功、正確な実施とさすがの安定感で14.350の高得点!
萱和磨選手、ブスナリ(F)成功、ガッツポーズ!14.450の高得点!
谷川航選手も安定感のある実施で通しました。

日本体育大学の床
白井健三選手、シライ3、リ・ジョンソン、後方2回半ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)、前方1回ひねり~シライ2(F)ややひねり不足、後方3回半ひねり(E)~前方1回ひねり(C)着地片足半歩ひく、最後はシライ/グエン(F)!
ガッツポーズ!
この体育館の床でもフル構成、白井健三選手凄すぎます15.2この種目1位の高得点!

福岡大学跳馬
米倉英信選手、ロペスハーフ(D6.0)を成功!
14.900(D6.0 E8.9)!この種目の最高点を出しました。

あん馬でポイントゲッターの千葉健太選手が2回落下するも谷川翔選手、萱和磨選手とスペシャリスト揃いの順天堂大学がチーム得点70.7。
対する日本体育大学は、白井健三選手が得意の床で15.2の高得点、チーム得点なんと71.3。その差が4.5とさらに広がりました。

第4ローテーション
順天堂大学つり輪
谷川翔選手、中水平2つに脚前挙も力強い!伸身ムーンサルトの着地ピタリ!
正確で力強い素晴らしい演技でした。
千葉健太選手、つり輪、振り上がり上水平~下ろして中水平、しまったいい演技でした。
萱 和磨選手、後転中水平、降り上がり中水平、降りは伸身新月面宙返り降り!ガッツポーズ!
谷川航選手、後転中水平、振り上がり中水平、新月面の着地決めました!

日本体育大学あん馬白井健三選手
降りでやや危なかったですが、落ち着いてフィニッシュ!笑顔でました。

順天堂大学がつり輪で全員が力の入ったいい演技を重ね70.1、日本体育大学あん馬68.850だったので、差を3.25に縮めました。

第5ローテーション
順天堂大学跳馬
千葉健太選手、ドゥリッグス一歩動く。
萱和磨選手、ドゥリッグス、わずかに一歩、ガッツポーズ!
谷川航選手、大技ブラニクを実施、大きく前に飛び出して手をついてしまう。空中姿勢は美しく迫力ありました。

日本体育大学つり輪
白井健三選手、十字懸垂低い実施になるも、力を振り絞り、屈伸グヂョギーから新月面着地まとめて、笑顔出ました。

鹿屋体育大学あん馬
杉野正尭選手、Gコンバイン成功!演技を通しガッツポーズ!
この種目最高得点の15.1(D6.5、E8.6)が出ました。

順天堂大学跳馬、チーム得点69.750、日本体育大学のつり輪69.350
差を2.85まで縮めますが、最終種目を前に大きな差、順天堂大学の最終種目が得意な平行棒とはいえ、
日本体育大学も得意の跳馬ということを考えると、逆転が難しくなってきます。
順天堂大学面々の顔色が変わり、場内の緊張感が高まってきます。

最終ローテーション
日本体育大学跳馬
白井健三選手、シライキムヒフンの着地を僅かな半歩でまとめて終えたあと、胸に手を当てて深呼吸、ほっとしてました。
大学の仲間との4年間の思いのこもったインカレ団体最終演技の着地はオリンピックの重圧を上回るものだったのか、優勝を確定づける着地を決めただけに演技後、リオ五輪ですら見せなかった涙を見せました。

順天堂大学の平行棒
5種目終了時で2.85差がついていたので、逆転が厳しい中でしたが、全日本インカレ団体優勝にかける思いは順天堂大学も同じ。谷川翔選手が15.200、千葉健太選手が14.950を出すなど得意の平行棒、世界レベルの高得点を連発し猛追します。
谷川航選手が珍しくミス13.850。キャプテンである萱和磨選手が最後までしっかりと声を出して鼓舞している姿に鬼気迫るものがありました。
その萱和磨選手、最終演技で気迫の演技、着地までピタリと決め、15.000を出してガッツポーズ!少しの減点もさせない魂を震わすような演技でした。

得点が出るまで静まり返る会場。
萱和磨選手が心配そうに得点板を見つめる。
谷川航選手は既に肩を落としているように見えます。
歓声を上げたのは日本体育大学
畠田監督が選手と抱き合う。白井健三選手も喜んでいる!
日本体育大学の応援席まで行き優勝を分かち合う。
リオ五輪の団体金メダルの時も涙を見せることはなかった白井健三選手の涙、キャプテンとして、部を引っ張ってきたからこその溢れ出る思い。インカレ団体優勝にかける思いが伝わってきて見ているこちらも感極まってきます。
日本体育大学優勝おめでとうございます\(^o^)/
日本体育大学跳馬チーム得点72.000、順天堂大学平行棒のチーム得点73.300
順天堂大学が得意の平行棒で猛追しましたが最終の点差は1.55届かず。
日本体育大学が逃げ切り4年ぶりの全日本インカレ優勝となりました。

世界選手権代表とアジア大会代表をずらりと並べたスター選手揃いの順天堂大学、まさかの敗戦に呆然でした。
谷川翔選手が鉄棒コールマンで落下、床でも大過失1人にラインオーバーが3人、千葉健太選手があん馬のブスナリで2回落下するなど、順天堂大学にしてはミスが多いとは思ってましたが、チーム得点としては上手くカバーしてたと思ったのですが、日体大のチームワークが順天堂大学の個の力を上回りましたね。

団体結果
優勝 日本体育大学 421.800
2位 順天堂大学    420.250
3位 鹿屋体育大学  412.350
4位 早稲田大学   406.150
5位 仙台大学     404.300
6位 筑波大学     402.250
7位 福岡大学     395.950
8位 慶應義塾大学  392.250
8位 日本大学    392.250
10位 静岡産業大学 382.800
11位 駒澤大学    381.000
12位 東海大学    371.550

個人総合結果
優勝 白井健三選手(日本体育大学4年) 85.600
2位 萱和磨選手(順天堂大学4年) 85.100
3位 杉本海誉斗選手(日本体育大学1年) 84.050
4位 谷川翔選手(順天堂大学2年)84.000
5位 杉野正尭選手(鹿屋体育大学2年)83.850
5位 柚木健太朗選手(日本体育大学3年)83.850
7位 前野風哉選手 (鹿屋体育大学4年)83.750
8位 府殿大佑選手(日本体育大学3年)83.600
9位堀内柊澄選手(鹿屋体育大学3年)82.750
10位 山田元大選手(早稲田大学2年)82.650
11位 加藤裕斗選手(順天堂大学3年)82.250
12位 谷川航選手(順天堂大学4年)81.900
12位 田中樹選手(日本体育大学3年)81.900
14位 前田航輝選手(筑波大学2年)81.850
15位 横井君宇選手(日本体育大学3年)81.750
16位 松見一希選手(仙台大学3年)81.700
17位 柏木寅治選手(早稲田大学3年)81.650
18位 高橋一矢選手(早稲田大学4年)81.600
19位 千葉健太選手(順天堂大学4年)81.400
19位 春木三憲選手(日本体育大学2年)81.400

最強世代と言われジュニアの時から競いあってきた白井健三選手、萱 和磨選手、谷川航選手、千葉健太選手。
大学も最終学年になり、4人が4人とも世界選手権とアジア大会の代表に選ばれるほど、飛躍するなかで行われた最後のインカレ。
勝負の女神が微笑んだのは、床の世界王者としてこの世代を牽引し続けてきた白井健三選手率いる日本体育大学でした。
思えば4年前、2014年8月16日、17日に横浜で行われた全日本ジュニアでもこの4人がハイレベルな優勝争いをし、白井健三選手と萱和磨選手が同点優勝。
ひねりの白井健三選手、安定感の萱和磨選手、着地の谷川航選手、美しさの千葉健太選手とそれぞれに異なる持ち味と強さを待つ4人、これからの日本体操界の中心となるであろう最強世代と言われました。
白井健三選手は日本体育大学に進学、萱和磨選手、谷川航選手、千葉健太選手は順天堂大学に進学し、大学2強のライバルとして数々の名勝負を繰り広げてきました。あの全日本ジュニアから丁度4年の歳月が経ち、最強世代が中心となった大学最終学年の全日本インカレ、運命的なものすら感じる両校の熾烈な優勝争い、もの凄い瞬間に立ち会えたことに大感激ですね。
順天堂大学の面々、特に間もなく開幕するアジア大会代表の谷川翔選手と千葉健太選手は、かなりのハードスケジュールでの参加。
世界選手権代表の萱和磨選手と谷川航選手も世界選手権仕様での器具に合わせて調整しているでしょうから、難しい調整だったと思います。
谷川航選手は、1週間前に肘を痛めていたとのことで苦しい試合でした。
その中でもさすが日本代表、最強世代の凄さが見える演技が随所にあったので、心打つ順天堂大学の美しい体操、素晴らしかったです。
順天堂大学の面々は、もう前を向いていて、11月の全日本団体選手権での雪辱を誓ってました。

学生の運営ということで会場の混雑などカオスな面もみられた大会でしたが、運営の方々もお疲れ様でした。
横浜から帰省ラッシュの中での移動、会場では途中まで立ち見の過酷な観戦でしたが、トップ選手の素晴らしい演技と各選手の思いを感じるような運命的な試合展開、見に来て良かったー

応援の勢いと凄さもインカレならではの若い力の熱さ、エネルギーを感じられてよかったです。

今大会出場した選手の中で、間もなく開幕するアジア大会に出場する谷川翔選手、千葉健太選手、前野風哉選手(鹿屋体育大学)には、アジア大会での素晴らしい活躍を願っています。
強豪の中国がフルメンバーでくるとのことなので、日本体操の強さを見せつけて、頑張ってほしい!
世界選手権代表の白井健三選手、萱和磨選手、谷川航選手も今度のカタール世界選手権は、東京五輪に向けて流れをつくる大事な前哨戦になってきます。
日本代表の中心となった最強世代、その力を発揮して内村航平選手、田中佑典選手らベテランとともに団体金メダル取ってほしい!頑張れニッポン\(^o^)/