akiraの体操観戦記

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宮地秀享選手の最高I難度の手離し技「ミヤチ」認定される!

今年10月のモントリオール世界体操選手権で日本の宮地秀享選手が成功させた鉄棒の手離し技、伸身ブレットシュナイダー。
このたび国際体操連盟が国際大会で初めての成功と認定し、「ミヤチ」と命名されました。
難度は、全種目通じて唯一の最高難度となる「I難度」となります。
そんな世界最高難度の大技に日本人選手の名前がつくことは、素晴らしい快挙です。
おめでとうございます\(^o^)/

「ミヤチ」は、現在D難度のコバチ(バーを越えながら後方抱え込み宙返り懸垂)を伸身で行いながら2回ひねりを加えるという技。体操漫画ガンバフライハイでも出てこなかった、あまりに非現実的過ぎて漫画でも登場しないレベルの超大技です。

コバチ」は、ハンガリーコバチ・ペーテルが1979年に初めて実施。
それまで手離し技といえば、トカチェフなどの跳び越し技かイェーガーなどの宙返り技しかなかったので、どちらとも違う跳び越しながらの宙返り技という手離し技の誕生は、とても革新的でした。
その後、様々な発展技が発表され、多くの名選手が体操の華である鉄棒の見せ場の技として行いました。
アテネ五輪では、冨田洋之選手の団体金メダルを決める最終演技の鉄棒で行ったコールマン、内村航平選手がリオ五輪個人総合で大逆転優勝をした最終演技鉄棒のカッシーナなど、まさに体操の歴史的名場面を彩ってきました。

コバチ(D)→屈伸コバチ(E)→伸身コバチ(E)→コールマン(E)→カッシーナ(G)→シャハム(G)→ブレットシュナイダー(H)→ミヤチ(I)

今回、認定された「ミヤチ」はまさにコバチの最終進化ともいえる超大技。
世界選手権前に宮地秀享選手は、音の響きから「コバチの最終形はミヤチがいい」と笑っていたとのことなので、ブレットシュナイダーもカッコいいけど、ミヤチもシンプルで逆に凄みが出てきます。

ドイツのアンドレアス・ブレットシュナイダー選手が2014年にコバチの2回ひねりを発表、当時最高のG難度を超えるH難度に認定され「ブレットシュナイダー」と命名されました。
そのアンドレアス・ブレットシュナイダー選手がリオ五輪に新技申請していたのが、伸身ブレットシュナイダーでした。2016年リオ五輪の予選で実施するもその技で落下してしまい、名前はつきませんでした。

宮地秀享選手も実は2016年の5月のNHK杯で既にブレットシュナイダー(H)に挑戦していて、その時は惜しくも落下となりましたが、さらなる大技を練習していました。
そして、2017年となる今年、宮地秀享選手は、5月のNHK杯、6月の全日本種目別選手権でついに、ブレットシュナイダー(H)とさらにそれを超える最高I難度の伸身ブレットシュナイダーを成功!その安定感と実施の美しさは、アンドレアス・ブレットシュナイダー選手を超えてましたね。
宮地秀享選手は世界選手権代表にも選出され、モントリオール世界体操選手権の種目別決勝で伸身ブレットシュナイダーを見事、成功させてくれました。
世界最高の舞台での一発勝負で成功させる勝負強さは、素晴らしかったです。
続くブレットシュナイダー(H)で落下してしまい、5位とメダルには届きませんでしたが、世界に「ミヤチ」の衝撃を強く残してくれました。
来年の世界選手権では、「ミヤチ(I)」、「ブレットシュナイダー(H)」、さらにG難度の「シャハム」も演技に取り入れたいとのことで、それらを含めた全ての技を通した演技を成功させてくれることでしょう。

まさに人間の限界に挑むような超大技の成功は、日本の体操のレベルの高さを表しています。
世界で、ブレットシュナイダー(H)を実施するのは、本家のアンドレアス・ブレットシュナイダー選手以外見たことがありませんが、日本では、宮地秀享選手、齊藤優佑選手、山本雅賢選手の3人がNHK杯、全日本種目別で実施し、会場を沸かせてくれました。

床の最高H難度の「シライ3」、跳馬の「シライ2」、平行棒の最高G難度の「ヤマムロ」、鉄棒の最高I難度の「ミヤチ」と現在、4種目でその種目の最高難度を現役の日本人選手が発表していることになるので、日本体操のレベルの高さがこのことからも伺えますね。

これからも選手たちの体操界の限界を超える超大技への挑戦、楽しみにしたいと思います。
頑張れニッポン\(^o^)/