akiraの体操観戦記

体操競技を応援するブログです!

2017全日本体操種目別選手権 男子決勝

全日本体操種目別選手権、今日は決勝が行われました。
高崎アリーナ4月にオープンしたばかりということもあって、新しくて綺麗な会場でした。
いつもの代々木体育館よりは、キャパは小さく、コンパクトでした。
客席からアリーナまでが近くて演技が見やすかったです。

種目別床
優勝 白井健三選手 15.550(D7.2 E8.35) 
2位 谷川航選手    15.000(D6.0 E9.0) 
3位 加藤凌平選手 14.900(D6.2 E8.7)
4位 佐藤巧選手   14.800(D6.4 E8.4)
5位 早坂尚人選手 14.550(D6.3 E8.25) 

白井健三選手が優勝。
最初のシライ3が着地も高くて完璧でした。
2本目のリ・ジョンソンが少し低く着地で珍しく前に一歩。
3本目は後方2回半ひねり(E)~前方2回半ひねり(E)。
4本目は前方1回ひねり~シライ2。
5本目は後方3回半ひねり~前方1回ひねり。
6本目はシライ/グエン(F)。
15.550と超高得点。最終演技者にして、圧巻の演技、演技後に1,2,3,4,5と指を立てていき5連覇ポーズしていました。
全日本種目別選手権の床で2013年の鮮烈な優勝からなんと5連覇達成とのことです。
床は白井健三選手の代名詞。強豪揃いの種目とはいえ、毎年圧勝しているので、快挙達成も当然と思えてしまう凄さです。

2位に谷川航選手。
着地がピタリ、ピタリと素晴らしかった。
1本目の助走から前方屈伸2回宙返り1/2ひねり、2本目に前方屈伸2回宙返りとダイナミックな大技高さがあって凄かったです。
減点が厳しい新ルールでEスコア9.0は、柔らかい質の高い着地が評価されてますね。

3位に加藤凌平選手。
得意種目とはいえ、全日本、NHK杯となかなか本来の安定感を出せなかったこの種目、オリンピア加藤凌平選手の復活に注目が集まりました。
今日は素晴らしい演技が出ました。
後方3回半ひねり~前方1回ひねりとこれまでより半ひねり増やしてグレードアップ。
今シーズンから取り入れた新月面も見事に着地決めてきました。
後方2回半ひねり(D)~前方2回ひねり(D)の0.2加点が取れるシリーズも見事。
難度を上げつつ着地も気合いで止めてくるところに加藤凌平選手の代表への執念を感じる素晴らしい演技でした。

4位に佐藤巧選手。
昨年まで行っていたシライ/グエン(F)は行いませんでしたが、前方屈伸2回宙返り1/2ひねり、前方2回ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)、
前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねり、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねりと大技連発で豪快な演技、凄かったです。

5位に早坂尚人選手。
ひねりの得意な早坂尚人選手、シライ/グエン(F)、前方1回ひねり(C)~前方2回ひねり(D)、後方2回半ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)、新月面とさすがの演技でした。

注目の五島誉博選手は6位。
前方かかえ込み宙返り1回ひねり~ゴシマ(前方3回半ひねり(G))、着地弾かれてラインオーバーとなりましたが、大技に挑戦してきました。
驚くべきことに後方3回半ひねり(E)~前方2回ひねり(D)、後方2回半ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)と世界でも白井健三選手しか行えないはずの超高難度連続技も決めてきました。
昨年よりも精度があがってますね。
1本目のラインオーバーが響いて6位でしたが、驚異的なひねり技の数々見せてくれました。

種目別あん馬
優勝 杉野正尭選手 14.750(D6.4 E8.35)
2位 梨本隆平選手 14.600(D6.0 E8.6)
3位 内村航平選手 14.400(D5.9 E8.5)
4位 谷川翔選手   14.300(D5.8 E8.5)
5位 古谷嘉章選手 14.100(D6.4 E7.7)

優勝は杉野正尭選手。
一人目に登場し、ショーンを見事に決めるなど、華麗な旋回を披露。
14.750と予選トップの得点に並ぶ点をいきなりたたき出し、後続にプレッシャーをかけました。

2位に梨本隆平選手。
梨本選手もショーンを決め、14.600の高得点
杉野正尭選手同様、ブスナリを行わなくても高いDスコアを組んできます。

3位に内村航平選手。
ロンドン五輪以降、この種目はDスコアを上げずにEスコアで勝負してきた内村航平選手。
種目別ということもあり、新しくトンフェイ入れてきました。
ロス、ウーグォニアン、マジャール、シバドと移動技のオンパレードで長く体力のいる構成でしたが、
リズムよくまったく危なげなく完遂してしまうところ、さすが内村航平選手です。
個人総合でも今後この構成でやってくるのか、注目ですね。

4位に谷川翔選手。
安定感のある演技、ブスナリ(F)とシュテクリA倒立ひねり移動降り(E)は独特でした。
危なげない実施は凄いです。

5位に古谷嘉章選手。
オリジナルのシュテクリAとび倒立からのブスナリ(G)決めてきました。
降りで上げきれず、バランスを崩しながらも、なんとか着地まで持っていきました。

注目の萱和磨選手は2度の落下が響き8位。
冒頭のブスナリ(F)はさすがの実施でしたが、逆交差倒立で反ってしまい、一歩動くもこらえきれずにまさかの落下。
やり直しますが、シバド移動でも落下してしまいました。
成功すれば代表入りも見えていただけに痛恨の失敗となってしまいました。
昨日の亀山耕平選手、長谷川智将選手ら実力者の予選落ちといい、あん馬はやはり難しい種目ですね。

予選首位の千葉健太選手も落下してしまい7位。
途中まで千葉健太選手らしいスピード感のある素晴らしい旋回でしたが、マジャール移動で手が滑ってしまったのか落下。
優勝候補2人の落下が衝撃でした。
今回のあん馬には魔物がいるのか、疑ってしまうような展開でしたね。

種目別つり輪
優勝 武田一志選手    15.050(D6.1 E8.95)
2位 長野託也選手    14.800(D6.3 E8.5)
3位 神津源一郎選手 14.700(D6.2 E8.5)
4位 野々村笙吾選手 14.650(D6.3 E8.35)
5位 市瀬達貴選手    14.400(D6.1 E8.3)

優勝は武田一志選手。
微動だにしない力技の数々、さすがでした。
中水平は海外スペシャリスト勢にも負けない正確なまっすぐな姿勢で力強かったです。
新月面の着地もピタリと決まって文句なしの優勝です。

2位に長野託也選手。
冒頭にヤンミンヨン決めてきました。
Dスコア6.3と圧巻の内容でした。

3位に神津源一郎選手。
こちらも冒頭にヤンミンヨン決めてきました。
去年の団体日本一の順天堂大学のつり輪のポイントゲッター。
さすがの力強い演技でした。

4位に野々村笙吾選手。
Dスコアを6.3まで上げて攻めの演技素晴らしかった。
着地で僅かに動いてしまったのが、惜しかったです。

5位に市瀬達貴選手。
見事な静止技に力強さを感じました。

注目の岡村康宏選手は着地で転倒してしまい8位。
冒頭のバランディン2、まるで重力を感じないかのような素晴らしい実施でした。
Dスコア6.3と圧巻の構成を力強い実施でしたが、着地の新月面で前に転倒してしまい惜しかったです。

予選トップの神本雄也選手も着地での転倒が響き7位。
オニールからのほんてん中水平、動から静への素晴らしい実施でしたが、着地でつぶれてしまい残念でした。

種目別跳馬
優勝 佐藤巧選手    15.000
  1本目14.950(D5.6 E9.35) 2本目15.050(D5.6 E9.45)
2位 谷川航選手     14.900
  1本目14.800(D5.6 E9.2) 2本目15.000(D5.6 E9.4)
3位 長谷川瑞樹選手  14.650
  1本目14.900(D5.6 E9.3) 2本目14.400(D5.2 E9.2)
4位 大久保圭太郎選手 14.550
  1本目14.700(D5.6 E9.1) 2本目14.400(D5.2 E9.2)
5位 安里圭亮選手    14.350
  1本目13.900(D6.0 E8.2) 2本目14.800(D5.6 E9.2)

優勝は佐藤巧選手。
1本目のドラグレスク、豪快でした。
2本面のロペスも迫力ありました。
気持ちの入った跳躍、大技の成功に会場がわきました。

2位に谷川航選手。
1本目ロペス、珍しく大きく動いてしまいました。
2本目ブラニク、豪快かつ美しい空中姿勢素晴らしかった。僅かな一歩で抑えガッツポーズ!
ラニクの成功には会場がわきました。誰が見ても豪快で美しい跳躍見事でした。

3位に長谷川瑞樹選手、ヨー2迫力ありました。2本目はドゥリッグス、見事な実施。

4位に大久保圭太郎選手、ヨー2、雄大な跳躍でした。2本目はドゥリッグス。

5位に安里圭亮選手、リ・セグァン、大技挑戦してきましたが、前に歩いてこらえきれず手をついてしまいました。
ヨー2は雄大な実施でした。

注目の白井健三選手は7位。
ついに最高難度のシライ2(ユルチェンコ3回半ひねり)を実施。
しかし、着地で転倒。
2本目はドゥリッグス、見事な実施でした。
リオ五輪種目別跳馬で全選手中最高点をたたき出したシライ2、この全日本種目別の舞台でついに挑戦してくれましたが、惜しくも転倒。
大技への挑戦は拍手を贈りたいです。

小倉佳祐選手もロペスハーフに挑戦も惜しくも転倒。
2本目のヨー2も大きく一歩動きましたが、雄大な跳躍でした。

リ・セグゥアン、シライ2、ロペスハーフと最高難度の大技に3人が挑戦しました。転倒ありましたが、大技への挑戦は全日本種目別決勝ならでは、日本のレベルの高さを感じました。

種目別平行棒
優勝 田中佑典選手 15.550(D6.3 E9.25)
2位 千葉健太選手  15.200(D6.4 E8.8)
3位 湯浅賢哉選手  14.650(D5.9 E8.75)
4位 加藤凌平選手  14.550(D6.2 E8.35)
5位 萱和磨選手    14.500(D6.3 E8.2)

田中佑典選手が優勝。
棒下マクーツ(G)、マクーツ(E)、ヒーリーと信じられないような完成度で成功。
美しく流れるように淀みなく実施するところは田中佑典選手ならではです。
15.550は新ルールで得点が出にくいなかで、異次元といっていい高得点ですね。

2位に千葉健太選手。
しっかりとした棒下ひねり倒立に雄大なバブサー(E)。
そして秘密兵器と言っていた技、ダジェダ(D)を成功させてきました。
初めてみたレア技に興奮です。
降りも前方かかえ込み2回宙返り半ひねり降り(F)で着地を決める素晴らしい演技。
15.200のスペシャリスト級の高得点出ました。

3位に湯浅賢哉選手。
美しい実施でした。
マクーツが淀みなく素晴らしかった。
ジュニアの頃から注目されている選手なので、今後どんどん力をつけてきそうです。

4位に加藤凌平選手。
加藤凌平選手、棒下宙返りで動いてしまうミスがありましたが、新たにフォキン(伸身ライヘルト)を入れてDスコアを上げてきました。
降りは後方屈伸2回宙返り見事に決めてきました。
直前の練習では前方かかえ込み2回宙返り半ひねり降り(F)も行っていたので、攻めた構成への挑戦を感じました。

5位に萱和磨選手。
棒下宙返りで反ってしまったのと着地の一歩が惜しかったです。
バブサー(E)は迫力ありました。

注目の神本雄也選手は、ティッペルトでバーにタッチしてしまう大きなミス。降りでも手をついてしまい8位。
腰を抑えて痛そうにしていたので、本調子ではないのかなと思いました。
代表入りも狙っていてその力もあっただけに痛恨の失敗。

種目別鉄棒
優勝 内村航平選手 15.750(D6.9 E8.85)
2位 宮地秀享選手   15.250(D6.6 E8.65)
3位 田中佑典選手   14.800(D6.3 E8.5)
4位 横井君宇選手   14.300(D6.2 E8.1)
5位 市瀬達貴選手   14.100(D6.7 E7.4)

優勝は内村航平選手。
またしても伝説的な演技が目の前で行われました。
屈伸コバチ、カッシーナ~コールマンを連続で実施、アドラー1/2ひねり(D)~ゲイロード2(E)、ヤマワキと
5個の手離し技はどれも超一流の完成度でカッシーナとコールマンはなんと連続という凄さ。超感動です。
着地も僅かな一歩に抑えガッツポーズ!
世界で内村航平選手にしか出来ない圧巻の超絶演技でした。
得点は、世界でも15点にのせた選手が誰もいないなかで、なんと15.750が出ちゃいました!
まさに異次元の凄さ、さすが無敵の世界王者内村航平選手ですね
演技後はもっと盛り上がってくれと言わんばかりに会場を煽る仕草で場内を大いに盛り上げてくれました。
いつも自分の演技には厳しい内村航平選手が、いい演技だったからもっと拍手が欲しかったと振り返っていたことが、なんだか嬉しかったですね。最高の演技でした\(^o^)/

2位に宮地秀享選手。
伸身ブレットシュナイダー、ブレットシュナイダー、カッシーナ、コールマン、ヤマワキを成功。
着地まで通しきり、素晴らしい演技でした。
I難度とH難度を共存させた演技素晴らしかったです。
これも世界で宮地秀享選手だけにしか出来ない超絶演技ですね。
NHK杯の時もひねり技で失敗こそありましたが、手離し技は全て成功させていたので、成功率かなり高いのではないでしょうか。本番で超大技決めてくるところが強いですね。

3位に田中佑典選手。
流れるような素晴らしい演技、さすがの田中佑典選手でした。
着地は大きく一歩出してしまいましたが、中技は完成度高かったので、14.800と高得点出ました。

注目の齊藤優佑選手は、ブレットシュナイダー、カッシーナ~コバチ連続成功もコールマン~ゲイロード2で落下してしまいました。
落下のリスクと隣合わせなのは大技連続のロマンを追い求めるハイバーマスターの宿命ですね。
いつかは全ての技を通した演技を見せてほしいです。

種目別選手権、進化する体操ニッポン!
年々、確実に凄くなってますね。
新ルールになって対応を迫られるなか、スペシャリスト達の現在の最高峰、凄かった
選手たちの自分への限界を超えようとする素晴らしい挑戦を見ることができ、超感動でした