akiraの体操観戦記

体操競技を応援するブログです!

2017体操NHK杯男子決勝

今日はNHK杯男子決勝が行われました。

優勝 内村航平選手(リンガーハット)     172.900(86.550+持ち点86.350)
2位 白井健三選手(日本体育大学)      172.550(86.450+持ち点86.100)
3位 田中佑典選手(コナミスポーツ)       171.800(85.500+持ち点86.300)
4位 野々村笙吾選手(セントラルスポーツ) 170.750(85.850+持ち点84.900)
5位 谷川航選手(順天堂大学)              170.450(84.700+持ち点85.750)
6位 神本雄也選手(コナミスポーツ)       169.450(85.050+持ち点84.400)
7位 武田一志選手(徳洲会体操クラブ)   169.350(83.700+持ち点85.650)
8位 加藤凌平選手(コナミスポーツ)        169.150(84.550+持ち点84.600)
9位 萱和磨選手(順天堂大学)              169.000(85.050+持ち点83.950)
10位 千葉健太選手(順天堂大学)         168.850(84.150+持ち点84.700)

絶対王者内村航平選手 対 進化著しい白井健三選手との異次元対決。
世界の体操界を牽引するスーパースター同士のデッドヒートは、想像以上に凄まじい激戦となりました。

白井健三選手の床は、シライ2、リ・ジョンソンと超大技と高難度ひねり技の連続を共存させた凄まじい構成。
全日本では、着地で弾かれるシーンもありましたが、このNHK杯では、まるで去年までの構成を行っているかのように着地をビシビシと決め余裕と安定感があって驚きました。
もう新しい構成を自分の演技として、ものにしてますね。
さすが床のスーパースペシャリスト白井健三選手。
15.9という得点は、旧ルールより1点近く得点が低くなる新ルールの中では、まさに異次元の超高得点ですね。

内村航平選手も床、あん馬、つり輪、跳馬と全日本の時より切れがあって、本来の美しさが出てましたが、得点的には全日本と同じような得点に留まりました。

床と跳馬で圧倒的な高得点を出し、かつ他の種目でも降り技に高難度技を決めてくる白井健三選手に対して、跳馬で逆転を許し、難度を落として行った平行棒でもリードが広がり、その差が最終種目鉄棒を残して0.5。
全日本の持ち点で0.25と僅かながらもアドバンテージがありがなら、なおかつ0.5もの差を広げられる状況はまるでリオ五輪個人総合決勝を彷彿とさせる展開。
その時と違うところはベルニャエフ選手と違い、白井健三選手も鉄棒が得意ということ。2月のワールドカップでの優勝が記憶に新しい。

白井健三選手が先に演技。ボゴレロフ、コバチと大技を最高のところでキャッチ。伸身新月面宙返り降りの着地、僅かに弾むも素晴らしい演技!
観客を大いに沸かせ、ガッツポーズが飛び出す。
しかし得点は13.950と意外に伸びず。

それをうけて、鉄棒の最終演技者、内村航平選手の演技、屈伸コバチ高い!続くカッシーナも成功、アドラー1/2ひねり~コールマンも少しバーに近づくも落ち着いてミスにはせず。
アドラー1回ひねり(D)~ヤマワキ(D)も成功!
新ルールで加点が得られなくなっても敢えて連続で実施してくるところが強い!
伸身新月面宙返り降りの着地は僅かに一歩動くも、この僅かなミスも許されないプレッシャーのかかる場面でも盤石な演技ができるところがさすが絶対王者内村航平選手!
14.450以上で白井健三選手を逆転となるが、全日本の決勝では、離し技後の肘曲がりもあり14.450と得点が伸びず。
14.450以上の高い得点が出るのか、ハラハラでしたが、得点は14.800と最高得点!
白井健三選手を逆転、0.35差での優勝!今日だけの得点でも0.1差ではあるものの総合1位の得点。
やはり内村航平選手は強かった。
NHK杯9連覇と40連勝の偉業達成。
史上最強の体操王者が新たなる伝説を作りました。

白井健三選手もオールラウンダーとして、内村航平選手に迫り、去年からの素晴らしい成長を見せてくれました。
圧倒的高得点が出る絶対の種目床、跳馬を持っている強さと思い切りのある攻めの演技、強かったです。

3位には田中佑典選手。
平行棒と鉄棒で高得点を出し、後半の追い上げが凄かったです。
全日本とNHK杯の合計Eスコアが1位の選手に与えられるセイコーエクセレンス賞も受賞。
あれだけ目を見張るような、しなやかさと美しい演技をして、かつミスがほとんどなかったのでこちらも納得です。

4位には野々村笙吾選手。
つり輪で種目3位の14.450
平行棒でも種目3位の14.900
鉄棒でも種目4位の14.050と持ち味の切れのある演技が光ってました。
今日だけの総合得点では、85.850と3位の得点です。

5位には谷川航選手。
全日本よりは、得意の着地が僅かに動いていたが、跳馬を2本実施。
1本目のロペスも14.850と高得点でしたが、2本目のブラニクが素晴らしい実施!高さと迫力で場内を沸かしました。
種目別の予選も兼ねているのか、跳馬を2本跳びましたが、個人総合的には、1本でいいところを2本跳ぶのは負担となりますね。

6位には神本雄也選手。
つり輪のDスコアはなんと6.3。オニールからの中水平はさすがでした。種目4位の14.400。
得意の平行棒は15.050と種目1位。降り技は半ひねりせず、前方2回宙返り降り(E)でした。

7位には武田一志選手。
つり輪では種目1位の堂々の14.700!
跳馬での大きな一歩、平行棒でのミスが痛かったです。

8位には加藤凌平選手。
いきなりスタート種目のあん馬で落下し、つり輪の着地も乱れていたので、調子が戻ってないのか心配でしたが、跳馬で大技ロペスを決め14.700。
平行棒でも会場中が注目する中、着地まで決める素晴らしい演技を見せ、さすがオリンピアンというところを見せてました。14.750
鉄棒もカッシーナは抜きましたが、着地までしまった演技よかったです。13.950

9位に萱和磨選手。
得意のあん馬は腰の位置も高く、ブスナリ(F)もスムーズに決め、素晴らしかった。
平行棒もDスコア6.3の高難度の構成で種目4位の14.800。バブサーが切れがあって素晴らしかった。

10位に千葉健太選手。
全日本予選1位だった千葉健太選手。
あん馬、平行棒、鉄棒と思い切りの良いスピード感と切れのある演技、素晴らしかった。
最終種目の床も後方4回ひねりを決めるなど、切れのある演技でしたが、前方2回半ひねりの着地で手をつくミスがあり、得点は13.350と伸びず。

今回は種目別枠で、各種目のスペシャリストも第6班として出場。
鉄棒で宮地秀享選手。
なんと最高I難度の伸身ブレットシュナイダーを成功!
本家のアンドレアス・ブレットシュナイダー選手ですら、リオ五輪の種目別決勝で落下してしまった超難技です。
続くカッシーナ、コールマン、ヤマワキと成功させ、これはもの凄い得点が出るのではと興奮しましたが、ひねり技でバランスを崩すミス。
伸身ムーンサルトで着地するもDスコア5.9、13.950と伸びず。

同じく鉄棒、山本雅賢選手もH難度のブレットシュナイダーを成功。
しかし、カッシーナが近づき、車輪につなげられず。
13.100

同じく鉄棒、齊藤優佑選手。
ブレットシュナイダー持ちますが、車輪がかなり反ってしまい、立て直すのに力を使ってしまいます。
カッシーナは単発、コールマン~ゲイロード2は連続で行い、さすがスペシャリストというところを見せましたが、アドラー1/2ひねりで落下。
降りでも転倒と残念でした。

しかし、3人連続で世界でも本家しかやっていない超大技を見せてくれるところが、さすが日本の鉄棒のスペシャリスト。
超大技への挑戦に拍手を贈りたいです。

あん馬では亀山耕平選手。
つま先まで神経の行き届いた素晴らしい演技。
14.900の高得点!
あん馬の世界王者、亀山耕平選手ここにありですね。

跳馬では、安里圭亮選手がリ・セガンを実施。
同じく跳馬で、小倉佳祐選手がロペスハーフを実施するなど、世界でもなかなか見れない大技素晴らしかった。

同じく跳馬で、大久保圭太郎選手。かなり高さと飛距離のあるロペスを実施。まだ高校生なのに熟練度の高い跳躍に驚きました。

リオ五輪の金メダルメンバーである山室光史選手も鉄棒での落下もあり、23位でした。
平行棒では、ヤマムロ(G)、シャルロ~単棒ヒーリーを2つ入れるなど、かなり攻めた構成に挑戦していました。
バランスを崩すミスもあり、得点は13.650に留まりましたが、Dスコア6.5は平行棒今大会最高Dスコアですね。

世界選手権の代表に内村航平選手と白井健三選手が個人総合枠で確定しました。
実力者がひしめく中でもこの2人は、圧巻の強さだったので、納得ですね。
まさにダブルエース揃い踏み。
7連覇がかかる内村航平選手はもちろんですが、白井健三選手の世界選手権個人総合デビューも楽しみです。
白井健三選手がインタビューで言っていた1位の内村航平選手とは点数的には僅かな差だけど、それが大きな差と言っていたことが潔くて印象的でした。
これはますます強くなると感じさせる発言でした。
こんな異次元の世界王者対異次元のスーパースターの試合を見せてくれる体操ニッポン、素晴らしいです\(^o^)/

個人総合の闘いが終わり、舞台は高崎ラウンドの種目別対決に移ります。
今回代表を惜しくも逃した個人総合上位勢とスペシャリスト勢の熱い闘いに注目ですね。
がんばれニッポン\(^o^)/