akiraの体操観戦記

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内村航平選手が優勝!2018NHK杯体操男子決勝

NHK杯体操競技選手権、東京体育館に見てきました。

今大会は全日本予選と決勝2日間の得点を持ち点にして、本日の得点との合計がNHK杯、代表争いの得点となります。
今回も全日本に続いて大混戦の息を飲む戦い、最後は大逆転でした。

優勝 内村航平選手 258.629(86.965+持ち点171.664)
2位 白井健三選手 257.895(85.731+持ち点172.164)
3位 萱和磨選手 256.495(85.166+持ち点171.329)
4位 谷川翔選手 255.927(83.431+持ち点172.496)
5位 谷川航選手 255.230(84.965+持ち点170.265)
6位 千葉健太選手 254.661(84.265+持ち点170.396)
7位 田中佑典選手 253.793(82.731+持ち点171.062)
8位 野々村笙吾選手 253.593(84.730+持ち点168.863)
9位 田浦誠也選手 252.527(83.732+持ち点168.795)
10位 前野風哉選手 250.761(84.265+持ち点166.496)
11位 神本雄也選手 249.994(82.265+持ち点167.729)
12位 荒屋敷響貴選手 248.862(82.966+持ち点165.896)
13位 武田一志選手 248.561(82.365+持ち点166.196)
14位 山本翔一選手 247.960(79.565+持ち点168.395)
15位 加藤凌平選手 247.758(81.131+持ち点166.627)

優勝は内村航平選手。
全日本優勝の谷川翔選手とは0.832、2位の白井健三選手には0.5のビハインドを背負ってのスタートとなりました。
第一種目の床から動きが軽く、前方1回ひねり(C)~前方2回半ひねり(E)、後方2回半ひねり(D)~前方2回ひねり(D)の高難度のひねり技を正確な実施、最後の後方3回ひねり(D)の着地をピタリと決めまして、大歓声おきました。14.633(D6.0 E8.633)
2種目目あん馬。全日本予選で落下した箇所も危なくなく通し、軽やかに素晴らしい実施。14.2(D5.7 E8.5)
3種目目つり輪。全日本の時より、中水平など静止技を長く止めて、着地も新月面ピタリと決めて場内歓声!
14.066(D5.7 E8.366)
4種目目跳馬。シューフェルトの着地良かったです。わずかに弾む程度に抑え14.500(D5.2 E9.3)
5種目目平行棒、次々と流れるように技を決め、全日本で倒立で2歩動いたところも微動だにせず、着地決めました。14.600(D6.1 E8.5)
最終種目鉄棒。ドーハW杯、全日本で苦しんだ手離し技をしっかり最高の位置で決め、持ち味の必ず止まる着地を決めてきました14.966(D6.4 E8.566)
今日一番の大歓声!まわりの内村航平選手ファンの方々が涙を流して感動してました。
全日本の時に出ていた修正点をしっかりと修正して各種目精度を上げてましたね。
ゾーンに入ってるような集中力の高さ、キレと勢いを増す無敵の着地!ここ一番で最高の演技をしてくる勝負強さ!
絶対王者とまでいわれた内村航平選手の演技がまさに戻ってきました!
王者の帰還を目の当たりにして、感動でした。ビハインドを跳ね返しての優勝!
NHK杯10連覇!おめでとうございます\(^o^)/

2位に白井健三選手。
白井健三選手も床でシライ3(H)、リ・ジョンソン(G)、後方2回半ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)、後方3回半ひねり(E)~前方伸身1回ひねり、前方1回ひねり~シライ2、シライ/グエン(F)といつもながら、異次元過ぎる超高難度の床をしっかり演技。15.433(D7.2 E8.233)もの異次元得点でスタートダッシュを切ります!
あん馬、つり輪と苦手種目もミスなく持ちこたえ、跳馬のシライキムヒンで全体3位の14.833(D5.6 E9.233)。
平行棒でも前方2回宙返り半ひねり降り(F)を決め14.433(D6.0 E8.433)
鉄棒では、前に演技した内村航平選手がものすごい演技をした直後、注目が集まりましたが、白井健三選手も屈伸コバチ、ヴィンクラー、大きなコバチを決め、伸身新月面の着地をピタリと微動だにせず決めてくれました。
これには場内大歓声!
振り返ってみれば、3日間ミスらしいミスがなかったのは、白井健三選手ただ一人ではないでしょうか。
Dスコア合計35.9と全体で一番高いDスコアを誇る攻めの体操をしていながら、全日本予選1位、全日本決勝2位、NHK杯2位と3日間とも高い得点を出してトップ争いする安定感さすが白井健三選手です。

3位に萱和磨選手。
持ち点4位でNHK杯に臨んだ萱和磨選手、今日も合計Dスコア35.6と攻めの演技迫力ありました。
あん馬で大技ブスナリを決め、あん馬全体5位の14.7(D6.4 E8.3)の高得点。ガッツポーズ出てました。
つり輪の伸身新月面降り(F)も見事でした。14.066(D6.1 E7.966)

4位に谷川翔選手。
全日本個人総合優勝者、持ち点1位でこのNHK杯、注目を集める中での演技となりました。
1種目目の床、前方屈伸2回宙返り1/2ひねり(F)を決めるなど全体6位の14.266(D5.9 E8.366)を出し好スタート。
2種目目、得意のあん馬、見せ場のベルキ(E)で足を引っ掛けるミスを出しますが、抜群のバランス感覚を見せ、落下せずに乗り切り、ブスナリも決め、降りまで持っていきました。14.033(D6.1 E7.933)と全日本決勝の時は14.7の高得点を出していたことを考えると0.667取りこぼしたことになりますが、普通だったら落下してるような当たりを最小限にとどめてくるところ逆に強さを感じました。
3種目目つり輪、持ち直して伸身ムーンサルトの着地決めてきた13.966(D5.3 E8.666)
4種目目の跳馬、ドリッグス(D5.2)を着地ピタリ!14.433(D5.2 9.233)。これは凄かった!
5種目目平行棒、バブサー(E)、前方2回宙返り半ひねり降り(F)の着地を決める強ささすが全日本王者です。
最終種目を前にして、暫定1位に立っていましたが、最終種目鉄棒でまさかがおこりました。
離れ技ヴィンクラーで落下、ここまで抜群の安定感を見せていた超新星の落下に場内どよめきました。
ヴィンクラーをやり直さず、他に手離し技が入っていない為、Dスコアが下がり、その後のシュタルダー1回半ひねりでもバランスを崩してしまい得点は全体34位の11.7(D4.8 E6.9)。全日本の時から2点以上得点を落としてしまい4位まで順位を下げてしまいました。
全日本優勝で最終種目鉄棒の最終演技者は初めての経験だったと思います。
直前に演技した内村航平選手と白井健三選手が最高の演技を見せたことにより、
そのプレッシャーは計り知れなかったと思います。
最後の鉄棒で崩れたのは残念でしたが、谷川翔選手はまだ19才、全日本を制した抜群のバランス感覚と正確に体をコントロールする美しい演技はニュータイプの個人総合王者の姿を感じさせました。
これからが楽しみな選手、全日本種目別選手権と代表争いはまだ終わってないので頑張ってほしいです。

5位に谷川航選手。
今日も着地がピタピタと止まって追い上げが凄かったです。
持ち点7位から5位まで追い上げる強さ、今日だけの得点は全体4位の84.965でした。
跳馬で種目別ポイント向けに2本目にブラニクも実施してくれました。
惜しくも尻もち、個人総合の6種目をやりつつ跳馬を2本跳ぶのは負担が大きかったと思います。
全日本種目別選手権では、大技ブラニク決めてほしいです。

6位に千葉健太選手。
床は各着地を乱してしまいましたが、あん馬は軽やかで勢いのある素晴らしい実施でした14.566(D6.0 E8.566)
平行棒全体3位の15.033(D6.2 E8.833)は強かったです。

7位に田中佑典選手。
あん馬の落下が痛かったです。12.666(D5.1 E8.566)
得意の平行棒はヤマムロ(G)、マクーツ(E)決めてきました。
スーっと体が浮くように倒立姿勢になるところに動から静への美しさを感じ、世界が認めた美しい演技素晴らしいです。
全体1位の15.066(D6.3 E8.766)でした。
最終種目鉄棒も得意種目、カッシーナ(G)、コバチ(D)、コールマン(E)と雄大でした。
伸身新月面の着地一歩で抑え全体4位の高得点でした。14.433(D6.1 E8.333)
あん馬の落下、跳馬でのラインオーバーもあり、今日だけの得点は全体13位の82.731で全日本の5位から順位を落としてしまった田中佑典選手ですが、落下があっても3日間のEスコア合計は全体3位と高いものがありました。繊細さとしなやかさを併せ持った神経の行き届いた美しい体操は魅力ありますね。

8位に野々村笙吾選手。
第1種目のあん馬を通して13.666(D5.4 E8.266)。
つり輪で全体4位の14.366(D6.1 E8.266)
得意の平行棒でシャルロ(E)~短棒ヒーリー(E)、バブサー(E)も見事に決め全体1位タイの15.066(D6.3 E8.766)。
今日だけの得点は、全体5位の84.730とさすが2014年世界選手権代表の実力者です。

11位に神本雄也選手。
つり輪で全体5位の14.333(D6.0 E8.333)、平行棒で全体5位の15.000(D6.5 E8.5)と得意種目で高得点出してきました。

13位に武田一志選手。
つり輪で全体2位の14.633(D6.1 E8.533)と昨年のつり輪の全日本王者、さすがの高得点出しました。

15位に加藤凌平選手。
全日本の平行棒で肩を痛そうにしてましたが、その影響でしょうか、床でラインオーバー14.200、あん馬で落下があり12.833、つり輪でバランスを崩し12.966、鉄棒コールマンで落下12.866と厳しい戦いとなりました。

26位に杉野正尭選手。
あん馬スペシャリストの杉野正尭選手、
Gコンバイン、ショーン見事でした。14.900(D6.5 E8.4)

27位に早坂尚人選手。
あん馬跳馬、鉄棒と大過失があり、振るいませんでした。


今回は全日本決勝に続いて、スペシャリスト枠で出場した選手の演技もありました。

鉄棒の前田楓丞選手。
ブレットシュナイダー(H)を実施、落下があり、再びブレットシュナイダー(H)をやり直すも再び落下となりました。しかし、まだ高校生でH難度のブレットシュナイダーに挑戦するところ、今後が楽しみですね。

鉄棒の宮地秀享選手。
ミヤチ(I)、ブレットシュナイダー(H)、カッシーナ(G)、コールマン(E)と決め、伸身ムーンサルトの着地が大きな一歩になり、得点は全体6位タイの14.133(D6.4 E7.733)と超大技を決めた割に伸びませんでしたが、世界を驚かせたI難度とH難度の超大技の共演、見ごたえありました。
全日本種目別選手権では、世界最高難度の演技決めてほしい。

床では、五島誉博選手。
前方2回宙返り半ひねり(E)、後方3回半ひねり(E)~前方2回ひねり(D)、前方1回ひねり(C)~シライ2(F)、シライ/グエン(F)、後方3回ひねり(D)と超高難度のひねり技決めてくれました。全体3位の14.566(D6.7、E7.866)
Dスコア6.7は、白井健三選手の7.2に次いで世界2位の高さではないでしょうか。

あん馬では、亀山耕平選手。
ショーンを取り入れた構成、美しい旋回、素晴らしかったです。全体1位の15.166(D6.5 E8.666)

あん馬、長谷川智将選手。
豪快な開脚旋回、ブスナリと素晴らしい演技で通してくれました。全体2位の14.966(D6.4 E8.566)

あん馬、梨本隆平選手。
ショーン良かったです。全体3位の14.900(D6.3 E8.6)

跳馬の米倉英信選手。
なんと超大技ロペスハーフ(D6.0)を実施。見事に立ってきました。15.066(D6.0 E9.066)

試合が終わり、優勝した内村航平選手と2位の白井健三選手が世界選手権の日本代表に決まりました。
残りの3人は、全日本種目別選手権を経て、チーム得点が最も高くなる組み合わせの3名が選考されるとのことです。
全日本種目別選手権も素晴らしい演技見せてほしい!ガンバです\(^o^)/

今回なんといっても内村航平選手の復活の優勝が嬉しかったです。
全日本が終わった時に本当の意味での全盛期の演技はもう見られないのかもと思ってしまいましたが、それがこれからも見られるんだと今日の演技で確信しました。
今日の演技は今まで見せてくれた異次元の強さと言われるほど奇跡的に凄い内村航平選手の演技の中でも指折りの上位に入る素晴らしい演技だったと思います。
限界なんてないんだなと思わせてくれる本当に凄い選手、そんな内村航平選手の伝説的な演技を10年以上も同じ時代にリアルタイムで見続けられてることに感謝です。日本の体操ファンは幸せですね。
王の帰還、感動でした\(^o^)/