akiraの体操観戦記

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リオデジャネイロオリンピック、体操男子個人総合決勝

2016リオデジャネイロオリンピック男子個人総合決勝が行われました。

一昨日の団体金メダルの興奮も冷めやらぬ中ですが、オリンピック史に残る名勝負となりました。

世界選手権6連覇を達成し、史上最高の体操選手と言われ、オリンピック個人総合連覇のかかる内村航平選手と世界最高のDスコア40.1を誇りワールドカップで連勝を重ねるオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)との最強決戦が実現。

今までの世界選手権では毎回ベルニャエフ選手が早々とミスをして脱落していましたので、ベルニャエフ選手が演技をちゃんと通した場合、無敵の王者内村航平選手にどこまで迫れるのか世界中が注目していましたが、このオリンピックでは2人の最高の演技が激突する夢の勝負が実現しました。

第1ローテーション床
内村航平選手がDスコア6.9の高い演技構成の床、次々と難しい技を決めていき、最後の後方3回ひねりの着地を見事に決めてきました。予選や団体決勝よりも切れのある素晴らしい演技。 15.766と床全体1位の高得点でスタート。

オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)も危ないところがありましたが、ミスを出さずに乗り切ります。
D6.9と高い演技構成。15.033と予選よりも高得点。

加藤凌平選手も安定した演技、15.266とこの床全体2位の高得点。

2班で演技している有力選手の1人マックス・ウィットロック選手(イギリス)が得意のあん馬で素晴らしい演技。
ブスナリ(G)を決めるなど、D7.2の高いDスコアを完遂、15.875の超高得点で1位のスタート。

第2ローテーションあん馬
内村航平選手は、安定したあん馬の演技、まるで空を飛んでるかのような美しい旋回にうっとり。
途中のシェア倒立の上がりが甘いことが減点されたのか、得点は15点台にのらず。14.900。

オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)、圧倒的なDスコア7.0を誇り、高得点が狙える種目ながら、大過失も多く出してきたあん馬なので、その出来が鍵となりましたが、シェアに下ろすブスナリ(E)など高難度技を決め、素晴らしい演技、ミスなく通し、内村航平選手を大きく上回る、あん馬全体2位となる15.533の高得点。
今回のベルニャエフ選手は、集中力と気迫が凄くて、いつもと違うぞという雰囲気。これは名勝負になると思いました。

第3ローテーションつり輪
予選、団体決勝と厳しい採点をされているつり輪。
内村航平選手は力技を次々と決め、着地まで止める気迫あふれる演技。しかし14.733と厳しい採点。
オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)は、この種目もDスコア6.6と高いDスコア。
力強い演技で着地までしっかり決め、得点なんと、つり輪全体1位となる15.300。
絶対に優勝するんだというベルニャエフ選手の気迫を感じる演技でした。

3種目終了して、内村航平選手がベルニャエフ選手に逆転され、0.467差を追いかける展開。
1位オレグ・ベルニャエフ選手 45.866
2位内村航平選手 45.399

第4ローテーション跳馬
オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)がこの後の平行棒を最も得意としていることを考えると、大事になってくるこの跳馬
内村航平選手は、団体金メダルの為に去年から取り入れている大技リ・シャオペン(D6.2)でここ1番の演技。
跳馬全体1位となる15.566の超高得点を叩き出します。
さすが王者!この演技に感動しました。

オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)は、ドラグレスクの着地をなんとピタリ決めます!
内村航平選手の得点に肉薄する跳馬全体2位の15.500の超高得点。

ここ一番の出来のリ・シャオペンを持ってしても差を僅かしか詰められず、厳しい展開となりました。その差0.401
1位オレグ・ベルニャエフ選手 61.366
2位内村航平選手 60.965

第5ローテーション平行棒
オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)が先に演技。
最も得意な平行棒、シャルロ~単棒ヒーリーの高難度連続技も決め、ティッペルト、バブサー、前方2回宙返り半ひねり降り(F)、
着地動きますがD7.1で平行棒全体1位となる16.100の超高得点!
内村航平選手、予選、団体決勝とフルに演技してこの個人総合決勝5種目目、疲労も相当あると思いますが、百戦錬磨の内村航平選手、集中力は研ぎ澄まされていました。
マクーツ(E)、ヒーリー(D)、屈伸ベーレ(E)、モリスエ(D)、ライヘルト、前方宙返り開脚抜きと大技を流れるように次々決め、後方屈伸2回宙返りの着地は前に一步弾みましたが、素晴らしい演技で15.600。

得意の平行棒で超高得点を出したオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)、内村航平選手との差をさらに0.901と広げました。
正直この差はかなり決定的かなと思いましたが、最終種目は鉄棒、代々木体育館でいつも満員の体操ファンをわかせてきた内村航平選手の奇跡の演技での大逆転劇を期待しました。
1位オレグ・ベルニャエフ選手 77.466
2位内村航平選手 76.565

第6ローテーション鉄棒
まずは加藤凌平選手が演技、ここまで安定した演技を続けてきた加藤凌平選手でしたが、アドラー1回ひねり(D)~ヤマワキ(D)で落下。メダルから遠ざかりました。

そして内村航平選手が登場。屈伸コバチ(E)、カッシーナ(G)、アドラー1/2ひねり(D)~コールマン(F)、アドラー1回ひねり(D)~ヤマワキ(D)と全ての手離し技を完璧に実施。
手離し技のずば抜けた高さに場内が沸きます!
そして着地ピタリ!微動だにしない完璧な着地!!場内大歓声でした。
内村航平選手もやり切ったという充実した表情、得点はもちろん鉄棒の全体1位となる15.800の超高得点!
これでオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)は優勝するには14.899以上を出さなければならず、プレッシャーがかかります。

最終演技者、オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)。
ヤマワキひねり(E)、アドラー1/2ひねり(D)~開脚モズニク(D)、アドラー1回ひねり(D)~ヤマワキ(D)と決め、伸身新月面宙返り降りの着地で一步動きます。
勝利を確信したオレグ・ベルニャエフ選手はガッツポーズ!得点を待ちます。

得点が場内に表示された瞬間、ベルニャエフ選手は、そりゃないよ~といった感じのジェスチャー
得点は14.800!この瞬間、内村航平選手のオリンピック個人総合2連覇が決定しました。
喜ぶ内村航平選手!最後の鉄棒で0.099差で大逆転!
オリンピック2連覇が達成されました。
おめでとうございます\(^o^)/

最後に勝負を分けたのは、演技の美しさと内村航平選手の代名詞、微動だにしない着地でした。
お互いの健闘を讃える内村航平選手とそれに応えるベルニャエフ選手、最高の勝負を見せてくれた素晴らしい選手達に拍手です。

1位内村航平選手(日本)92.365
2位オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)92.266
3位マックス・ウィットロック選手(イギリス)90.641
4位ダビド・ベルヤフスキー選手(ロシア)90.498
5位林超攀選手(中国)90.230
6位書弟選手(中国)90.130
7位サミュエル・ミクラック選手(アメリカ)89.631
8位ナイル・ウィルソン選手(イギリス)89.565
9位セルジオ・ササキ・ジュニオール選手(ブラジル)89.198
10位ホシマール・カルボ・モレノ選手(コロンビア)88.915
11位加藤凌平選手(日本)88.590
12位エディー・ユーソフ選手(スイス)87.914
13位ニコライ・クキセンコフ選手(ロシア)87.732
14位クリストファー・ブルックス選手(アメリカ)87.632

優勝は内村航平選手、体操キングの真の力見せてくれました。オリンピック2連覇!
2位はオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)、最強の挑戦者、主要世界大会初メダルが銀メダル、凄いです。
3位にはあん馬で全体1位の高得点を上げたマックス・ウィットロック選手(イギリス)が入りました。
4位には、終始美しい演技を披露していたダビド・ベルヤフスキー選手(ロシア)が入りました。
5位に林超攀選手(中国)、6位に書弟選手(中国)と高いDスコアをほこる中国勢2選手が入りました。
途中まで安定した演技でしたが、鉄棒で落下のあった加藤凌平選手が11位。
予選、団体決勝とノーミスで演技し、団体金メダルに大きく貢献してくれた加藤凌平選手、疲労もあったと思います。お疲れ様でした。

今回のリオ五輪個人総合決勝は、かつてない程ハイレベルになりました。
これだけの厳しい採点の中、1位と2位が92点超え、6位までが90点超え。
そして内村航平選手、オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)、オリンピックの舞台でこんな史上稀に見る凄い勝負を見せてくれた2人に感動しました。
この8年間ここまで内村航平選手に迫れたのは、この最強の挑戦者オレグ・ベルニャエフ選手が初めてです。
世界選手権でも、いつも2種目終了時からトップを独走して種目を追うごとに2位と差を広げて他を寄せ付けない圧倒的大差で優勝してきた内村航平選手。ぎりぎりの厳しい勝負となり、もしかしたら負けるかもしれないところまで追い詰められた時にどんな演技を見せてくれるのか、注目しましたが、内村航平選手の真の力、追い詰められれば追いつめられるほど、どんどん研ぎ澄まされる集中力と神がかっていく演技、最後の最後に勝ちきる究極の勝負強さに鳥肌が立ちました!

本当に凄い選手、技の完成度、美しさ、安定感、強靭な精神力、究極の勝負強さ、どれをとっても体操史上、最高の選手です。
こんな伝説的な凄い選手をいつも代々木体育館で見てきた我々日本の体操ファンは本当に幸せですね(^o^)
内村航平選手が達成し続けてくれた個人総合の世界主要大会8連覇は体操ニッポンの誇り、東京五輪に向けては、加藤凌平選手、野々村笙吾選手、神本雄也選手、白井健三選手、萱 和磨選手、谷川航選手、千葉健太選手らがベルニャエフ選手と個人総合でも渡り合えるように成長して体操ニッポン個人総合最強の伝統を守っていってほしいです。
内村航平選手、最高の感動をありがとう!\(^o^)/

団体金メダル、個人総合金メダルとここまで最高のいい流れで来てる体操ニッポン、明日は女子個人総合、寺本明日香選手、村上茉愛選手、頑張ってほしいいです。
頑張れニッポン\(^o^)/