akiraの体操観戦記

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第51回NHK杯男子個人総合決勝その1

劇的な女子代表決定戦が終わり、演技場に鉄棒、平行棒、吊り輪あん馬が設置され、いよいよ五輪団体金を獲得するメンバーを決定する男子競技が始まりました。
会場は既に3階席の隅々まで満席となり、2回の手すりにも途切れることなく立ち見の客が出るほど、代々木体育館のこれほどの満員御礼初めて見ました。おそらく五輪代表決定、そして体操史上最強といわれる内村航平選手の演技を見ようと、多くの体操ファンが集まって注目してますね。

今回の男子代表選考は、五輪の団体戦を見据えて、床と鉄棒のスペシャリストを優遇する種目別ポイントが導入されていて、選考会通算順位11以内に入った選手で、個人総合通算順位1位の選手、種目別ポイント合計1位の選手、床ポイント合計1位の選手、鉄棒ポイント合計1位の選手が代表になるということで、最後までわからない大混戦でした。
既に代表に内定している内村航平選手も五輪個人総合決勝を見据えて、6種目を演技しました。

総合順位枠争いは、ここまで1位を守ってきた田中和仁選手と大学1年生の野々村笙吾選手、全日本選手権での出遅れを本来の実力を発揮し、ものすごい追い上げを見せた東京世界選手権個人総合銅メダリストである山室光史選手による3人の争い見ごたえありました。
田中和仁選手、野々村笙吾選手ともにあん馬で落下、野々村笙吾選手は得意のつり輪、ロペスを決めた跳馬、強靭な体幹を生かした平行棒で高得点を上げ昨年のワールドカップドイツ大会でフィリップ・ボイら個人総合上位の常連達を抑えて優勝した実力を発揮し、すごい追い上げを見せます。
田中和仁選手も体操の教科書と言われる程、美しい実施で、世界最高レベルの得意の平行棒では、着地まで決めガッツポーズ!D6.9(内規+0.2込)で15.6!
一歩も引きません。
ここでリードしたのが、山室光史選手、東京世界選手権で銅メダルを獲得したつり輪で世界トップレベルの力技を披露!D6.9(内規+0.2込)で15.75の高得点をマーク。
跳馬でもロペスでD7.2(内規+0.2込)で16.6の最高点を叩き出しトップに。苦手としている平行棒でも、新しく入れた棒下宙単棒倒立シャルロを決め、D6.3で15.1と隙を見せません。
勝負は最終種目鉄棒まで持ち込まれ、最初に演技したのは山室光史アドラー1回ひねり~高さのあるヤマワキを決め、今年から入れてきたコールマンもしっかり決めました。降りの伸身新月面はここにきてなんと着地ピタリ!持てる力を全て発揮した会心の演技でD6.5で14.9!
追う野々村笙吾選手、伸身トカチェフでまさかの落下(>_<)
きびきびとした動きと安定感で、迫力のある追い上げをしていただけに痛恨の落下!この落下が野々村笙吾選手の代表落選を意味していることが分かっている満員の代々木体育館の観客から大きな溜息が出ました。
そして田中和仁選手、今や東京世界選手権でも団体戦鉄棒トップバッターを務めるほど得意の鉄棒、アドラー1/2ひねり~伸身トカチェフアドラー一回ひねり~ヤマワキと加点の取れる連続技に加え、世界選手権では抜いてきたコールマンも完璧に決め!最後の着地、一歩出しますが、プレッシャーのかかる中、演技をやり通し、やっと重圧から解放されたなんとも言えない表情で両手を握りしめガッツポーズ!D6.8で15.6の高得点。
見事に総合トップ枠で代表を勝ち取りました。

代表選考通算順位は総合2位となった山室光史選手ですが、この日だけの得点はなんと91.550!五輪での個人総合の日本のワンツーフィニッシュも狙えるような高得点!平行棒や鉄棒で新しい技を入れてDスコアを上げてきた成果でましたね。
山室光史選手はつり輪で4日間全て1位、跳馬でもポイントを取っていて、種目別ポイント総合枠で見事代表選出です。

その2に続く