akiraの体操観戦記

体操競技を応援するブログです!

2016全日本体操種目別選手権男子決勝

リオデジャネイロ五輪代表を決める最後の選考会
全日本体操種目別選手権、代々木体育館に観に行ってきました。
五輪代表を決める選考会は毎回、選手たちの代表を目指す熱い思いにドラマがあるのすが、
今回も素晴らしい演技、感動のドラマがありました

床、白井健三選手が優勝!
シライ3こそ見せませんでしたが、他の選手より一段上の超高難度連続技を余裕のある完璧な実施。
異次元の16.650での完璧な優勝
さすがに世界に敵なしのチャンピオン、リオ五輪の代表決定も文句なしの凄さです。
D7.6、16.650

早坂尚人選手が2位。
全日本、NHK杯と精細を欠いていた早坂尚人選手でしたが、この全日本種目別は、本来の実力を発揮してました。
シライⅡ(F)の着地も今年一番よかったです。
D7.2と攻めてきての15.850は素晴らしかったです。

佐藤巧選手が3位。
独特のロンダートからの高い宙返りは、迫力ありました。
後方4回ひねり(F)は白井健三選手とまた違った迫力がありますね。
D6.9、15.550

五島誉博選手が3位タイ
シライⅡ(F)を超える前方3回半ひねり(G)を見事に成功、その他に白井健三選手以外に誰も出来ない後方3回半ひねり(E)~前方2回ひねり(D)、後方2回半ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)の超高難度連続技を実施してきたのには驚きました。
白井健三選手に肉薄するDスコア7.5は驚異的な世界2位。
ラインオーバーがあっての15.550と実施の評価も上がってきていて、スピード感、迫力、魅力ありますね。
D7.5、15.550

小畠廉生選手が5位
ひねりの正確さ、宙返りの高さ、着地時の腰の位置の高さなど、玄人受けする実施はジュニア時代の前評判通りの素晴らしさです。
ラインオーバーがもったいなかったですが、動じず最後まで美しく通しきるところに自信を感じます。
D6.8、15.300

1位白井健三選手 16.650
2位早坂尚人選手 15.850
3位五島誉博選手 15.550
3位佐藤巧選手   15.550
5位小畠廉生選手 15.300

去年世界選手権銅メダリストの萱和磨選手、2013年の世界チャンピオン亀山耕平選手、長谷川智将選手、今林開人選手と歴代全日本王者が後半の4名に登場と今大会、最大の激戦が繰り広げられました。
大技ブスナリを出場選手が当たり前のようにやってくるなか、世界の種目別でも例をみない、G難度とF難度2種類のブスナリを入れた構成を優勝候補の選手達4人がいれているDスコア7点以上のハイレベルな優勝争いが凄まじかったです。
まずは長谷川智将選手、スピード感のある開脚旋回の連続で会場をわかせると交差倒立で少し停滞も倒立まで上げ、演技を続行、中盤でブスナリ(G)、ブスナリ(F)と入れてくるも惜しくも落下。
再開後の演技は降りまで見事でした。中盤でブスナリを2つ入れる構成は圧巻でしたが、交差倒立で力を少し使ってしまったのが響いたでしょうか。
魅せる演技はさすが豪快と華麗さを合わせ持つ体操を行う長谷川智将選手でした。

次に今林開人選手、こちらもブスナリ(G)、ブスナリ(F)と実施、移動技もスムーズに通しきり、得点は15.750の高得点!Dスコアは驚異の7.3!

最後から二番目に登場の2013年世界王者の亀山耕平選手、ブスナリを2つ入れた構成で、旋回の美しさは抜群でした。
交差倒立で下ろした後に僅かな停滞がありましたが、移動の連続など、スムーズで美しかった。降り技もしっかりE難度で降りガッツポーズ!Dスコアは世界最高に並ぶ驚異の7.4!
得点は今林開人選手を上回る15.800!
ここで世界王者亀山耕平選手が全日本、NHK杯を通じて初めて世界最高の演技構成を通し、高得点でトップに立ちます。

最後に登場が、去年の世界選手権銅メダリスト萱和磨選手、亀山耕平選手が高得点を出した後も、落ち着いた表情で集中力を極限まで高めていました。
萱和磨選手もブスナリ(G)、ブスナリ(F)と2つのブスナリを完璧に成功、旋回と途中の移動技でも足をあん馬にかすりともさせない、このプレッシャーのかかる状況でも美しさを意識した実施が出来るところに凄さを感じました。
演技を完璧に通し、ガッツポーズ!得点はなんと亀山耕平選手を上回る15.9!Dスコアも7.2と去年の6.8を遥かに上回り、この一年での萱和磨選手の成長はすごいです。このプレッシャーかかる場面での勝負強さはもの凄いです。

1位萱和磨選手   15.900
2位亀山耕平選手 15.800
3位今林開人選手 15.750
4位池田大騎選手 14.950
5位前野風哉選手 14.700

つり輪
優勝が武田一志選手。
予選一位として臨んだ2014年アジア大会つり輪の銀メダリスト、中水平の姿勢が素晴らしく、力強い演技凄かった。
そしてなんといっても着地、抱え込み新月面をピタリと決め、その余韻にひたりながら、ガッツポーズ!
D6.6、15.400の高得点で優勝!

2位が野々村笙吾選手。
しなやかさと美しさ、そして力強さを合わせ持つ世界屈指のオールランダー野々村笙吾選手、このつり輪も得意種目。
振り上がり中水平から引き上げて上水平、その力強さに場内が沸きました!
新月面の着地、一歩動きましたが、素晴らしい演技に笑顔でした。
D6.6、15.200

3位が市瀬達貴選手。
中水平が2つ入った力強い実施、さすがでした。
D6.6、15.000

貢献度ポイントで僅差の代表争いをしている山室光史選手と神本雄也選手、2人が得意とするこのつり輪で持ち点を上積みすることが出来るかが、注目されました。
神本雄也選手は、痛めている左手首の状態が悪化したとの情報もあり、心配されましたが、それを感じさせない演技、独創性あふれるオニールからのほん転逆上がり中水平、見事に決めました。
降り技では、F難度の伸身新月面宙返り降りで攻めてきましたが、着地で転倒し、14.300で6位。

山室光史選手もF難度の後転中水平、振り上がり中水平と力強く実施。
やはり降り技、F難度の伸身新月面宙返り降りで攻めてきましたが、着地で前に崩れ、手をつき、14.300で6位タイ。
2人ともこの種目での貢献度ポイントの上積みは成りませんでしたが、降り技で攻めてきた姿勢にオリンピックへかける思いを感じ、拍手です。

1位武田一志選手     15.400
2位野々村笙吾選手    15.200
3位市瀬達貴選手    15.000
4位長野託也選手     14.950
5位神津源一郎選手  14.900

谷川航選手が優勝。
1本目、大技ブラニク(屈伸ローチェ)を豪快に成功!
その高さ、美しさ、スピード感、着地の安定感に場内大歓声!
着地は余裕を感じる前に小さく一步。熟練度が伺えます。
減点がほとんどなく、Eスコア9.6はいかに質の高い実施であったかわかりますね。15.600の高得点。

2本目、ロペス、安定感のある実施で小さな着地一步に抑えました。
15.500の高得点、さすが着地に強い谷川航選手、2本とも6.0の大技を質の高い実施でまとめました。

山室光史選手が2位。
1本目にロペス、見事に成功!15.400の高得点!ガッツポーズ!
2本目に前転跳び前方宙返り2回ひねり!14.900!
つり輪でミスが出ても、跳馬で引きずらず、しっかり演技してくる山室光史選手、さすがです。
ロンドン五輪で怪我をしてしまった因縁の技ロペスをこの種目別でしっかり成功させてくるところにリオ五輪ロンドン五輪の借りを返そうという山室光史選手のただならぬ思いを感じます。

安里圭亮選手が3位。
1本目にリ・セグヮン、超大技飛び出しました。前のめりの低い着地に成りましたが、大技に場内がどよめきました。15.050
2本目にヨー2、ラインオーバーありましたが、成功。15.100

注目の小倉佳祐選手は、超大技ロペスハーフ(D6.4)を実施、着地で前に崩れ手をついてしまいました。14.600
2本目のヨー2も後ろに大きく動いてしまいました。14.900で7位。

佐藤巧選手も超大技ロペスハーフ(D6.4)を実施、左に大きく動いてしまいました。14.650
2本目のヨー2は着地一步。15.350、5位でした。

最後に登場した白井健三選手、
表示した技番号は未発表の新技を示す「000」
注目の超大技、ユルチェンコ3回半ひねりに挑戦、場内大注目でした。
素早い助走から着地立ちましたが、ひねり不足があり、3回半ひねりと認定されず、ユルチェンコ3回ひねりとして採点されました。15.100。
2本目はドゥリッグス、これは美しい実施でした。14.900。5位でした。
白井健三選手、新技は認定されませんでしたが、未知の超大技への挑戦を間近で見れて鳥肌が立ちました。
今後はこの超大技の精度を上げて、世界へ、跳馬の「シライ2」として発表してくれるでしょう。
世界でも稀有な大技ブラニクをEスコア9.6という完成度で実施してくる谷川航選手、一部のスペシャリストしか出来ないDスコア6.4の最高難度の大技を4人が実施してくる、日本の跳馬のレベルの高さは凄まじいですね。


優勝 谷川航選手  15.550(1本目15.600、2本目15.500)
2位 山室光史選手 15.150(1本目15.400、2本目14.900)
3位 安里圭亮選手 15.075(1本目15.050、2本目15.100)
4位 相原弘樹選手 15.025(1本目15.050、2本目15.000)
5位 佐藤巧選手  15.000(1本目14.650、2本目15.350)
5位白井健三選手 15.000(1本目15.100、2本目14.900)

平行棒
神本雄也選手が優勝。
シャルロ(E)、屈伸ベーレ(E)、バブサー(E)と高難度技を次々成功!
降り技は屈伸2回宙返りで着地ピタリ!
なんともいえない表情からのガッツポーズ。いつもより降り技の難度を下げましたが、左手首の痛みに耐えて、演技をやり切ったという思いが伝わってきました。
得点はD6.9、15.800!

田中和仁選手が2位。
平行棒のスペシャリスト田中和仁選手、今シーズンは4月の全日本予選でミスを連発して、まさかの予選落ち。苦しいシーズンとなりましたが、
この全日本種目別では得意の平行棒で本来の会心の演技見せてくれました。
シャルロ(E)、屈伸ベーレ(E)、屈伸モリスエ(E)と高難度の技を次々成功!
体操の教科書と言われた田中和仁選手ならではの正確で美しい力強い実施に場内ため息、
降り技の後方屈伸2回宙返り(D)も決め、ガッツポーズ!D6.8、15.600!
笑顔で会場に手を振り歓声に応えました。

野々村笙吾選手が3位。
野々村笙吾選手らしい、しなやかで力強い実施。
シャルロ(E)、屈伸ベーレ(E)、バブサー(E)と流れるように技を次々決め、着地は後方屈伸2回宙返り決めました。
D6.6、15.550!

全日本とNHK杯で16点前後の高得点を出し、去年の世界選手権種目別平行棒ファイナリスト、優勝候補の田中佑典選手は、ヤマムロ(G)、マクーツ(E)とバランスを崩し、落下はせずに演技を通しましたが、14.700に終わりました。
今回失敗が出ましたがリオ五輪では成功させてほしいです。

優勝 神本雄也選手    15.800
2位  田中和仁選手    15.600
3位  野々村笙吾選手 15.550
4位  神津源一郎選手 15.400
5位  萱和磨選手        14.950

最終種目鉄棒
まさかの波乱が続きました。
1人目の佐藤匠選手はカッシーナ、コールマンと見事に決めましたが、着地で手をつくミス。
それからは、落下が相次ぎ、6人目の今井裕之選手までもがカッシーナで落下、5人が連続で落下という事態に。
コナミ徳洲会のコーチの皆様が何度もワイヤーの貼り具合を調整していたので、器具に何かあるんじゃないかと思うぐらいでした。
7人目で登場の田中佑典選手、この種目鉄棒のスペシャリストとして、そしておそらく選ばれるであろうリオ五輪代表として、演技を必ず通すという気迫を感じました。
ここまで3人が落下し、あらためてG難度の難しさを再認識させられてるカッシーナを完璧に成功。アドラー1/2ひねり(D)~コールマン(F)は実施しませんでしたが、しなやかな美しい実施で、着地まで決め、落下の連鎖を見事に止めました。
D6.8、15.350

そして最終演技者、内村航平選手、日本の絶対エースにして、世界選手権個人総合6連覇、去年の鉄棒の世界チャンピオン!
史上最強の体操王者の2011年以来の全日本種目別選手権の参加、その演技に会場中が注目しました。
最初にカッシーナ(G)からコールマン(F)を連続で成功!
これには場内どよめきました。
そしてアドラー1/2ひねり(D)~ゲイロード2(E)!
なんと新しい連続技を見せました。
アドラー1回ひねり(D)で戻ってしまうミスが出ましたが、ヤマワキ(D)は単発で成功、伸身新月面宙返り降りの着地は小さく一步。
内村航平選手が見せた新たな種目別用の演技構成に場内大歓声!!
D7.2 15.700!
なんと内村航平選手、6人も失敗が続き、やな雰囲気の中でも、超弩級の連続技を見せれくれました。
カッシーナ~コールマンの連続、2014年の世界選手権種目別で銀メダルを取った時の大技ですが、同じ会場でそのスペシャルな連続技を見られて感激です!大迫力で美しく、素晴らしかった。
アドラー1/2ひねり(D)~ゲイロード2(E)の流れもスムーズで、美しかったです。
さすがの世界王者の異次元の体操を目の当たりにして、感動しきりなのですが、本人は、ミスが出たので、あまりリオにはつながらない、新しい離し技を成功できたのはよかったと、至っていつもの自分に厳しい内村航平選手。
目指している次元の高さが凄いです

これは是非、リオ五輪で成功させて、世界を驚かせてほしいです

鉄棒
優勝 内村航平選手 15.700
2位 田中佑典選手  15.350
3位 佐藤匠選手   14.150
4位 小泉和照選手  13.700


そして全ての種目が終わり、注目の代表が発表されました。
既に内定されている内村航平選手、加藤凌平選手に加えて、今回選ばれたのは、

田中佑典選手!
白井健三選手!
山室光史選手!

でした!!!!!

平行棒、鉄棒のスペシャリストにして、NHK杯3位の田中佑典選手と床の世界王者、跳馬スペシャリスト、全日本2位の白井健三選手は、NHK杯が終わった時点でかなり有力でしたが、いざ決定してみると日本チームにはやはり欠かせない選手で納得の代表ですね。
山室光史選手がつり輪、跳馬、平行棒と強力に得点を伸ばせる選手、最後の一枠、見事に代表に決まりました。
山室光史選手は平行棒の新技といい、積極的にDスコアを上げてくる取り組み、ロンドン五輪の時の借りを今回のリオ五輪で返すという強い思いを感じました。

内村航平選手、加藤凌平選手、田中佑典選手、白井健三選手、山室光史選手、
最強の代表が決まったと思います。
今回代表に一歩届かなかった、萱和磨選手、亀山耕平選手、神本雄也選手、野々村笙吾選手も気迫のこもった演技、素晴らしかったです。
特にあん馬は、ハイレベルな戦いが繰り広げられ、見応えありました。
体操ニッポンは世界最高ですね。
全日本種目別選手権、スペシャリスト達の演技、素晴らしかった。
今回はリオ五輪への選手たちの熱い思いも伝わってきて、より感動が大きかったです。
最高の演技をありがとうございました!

リオ五輪で目指せ団体金メダル、頑張れニッポン\(^o^)/