akiraの体操観戦記

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2018世界体操選手権ドーハ大会種目別決勝後半

2018世界体操選手権ドーハ大会も最終日、種目別決勝後半が行われました。
スペシャリストの共演、最終日は、日本勢の奮闘も光りました。

男子跳馬決勝
優勝 リ・セグワン選手(北朝鮮)
 14.933 1本目14.933(D6.0 E8.933) 2本目14.933(D6.0 E8.933)
2位 アルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア)
 14.883 1本目14.866(D5.6 E9.266) 2本目14.900(D5.6 E9.3)
3位 白井健三選手(日本)
  14.675 1本目14.750(D5.6 E9.15) 2本目14.600(D5.2 E9.4)
4位 ドミニク・クンニングハム選手(イギリス)
 14.666 1本目14.533(D5.4 E9.133) 2本目14.800(D5.6 E9.2)
5位 ニキータ・ナゴルニー選手(ロシア)
 14.650 1本目14.800(D5.6 E9.2) 2本目14.500(D5.6 E8.9)

リ・セグワン選手(北朝鮮)が優勝。
北朝鮮跳馬スペシャリスト、屈伸ドラグレスクとリ・セグワン、2種類のDスコア6.0の超大技をやってきました。大きな一步や空中姿勢の乱れは気になるのですが、なんといってもDスコア6.0最高難度の超大技、立ってくると高得点でますね。別系統のDスコア6.0を2本揃えられる選手は、現状では世界でこの選手だけしょう。

2位アルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア)が2位。
個人総合のチャンピオン、今大会のブレイクぶりが凄まじいですね。
シライキムヒフンとブラニク、減点の少ないDスコア5.6の大技を2つ実施、着地も僅かに動く程度。
白井健三選手のシライキムヒフンと谷川航選手のブラニク、日本の跳馬を代表する2選手の得意技を両方出来るとかとんでもない選手です
4月のワールドカップ東京大会ではシライキムヒフンで転倒していたのですが、今大会は別人のように絶好調ですね。

3位は白井健三選手(日本)。
去年の世界選手権モントリオール大会の跳馬の金メダリスト。
1本目のシライキムヒフンは、珍しく着地がやや前掛かりになって一步動いてしまいますが、2本目のドリッグス(D5.2)は、吸い付くような着地!白井健三選手らしい美しくキレのある跳躍見せてくれました。
今大会、得意の床など器具が合わず、苦しんだ白井健三選手、演技後は、ドーハに来てから初めて嬉しいと笑顔が見られました。
順位確定後は、リ・セグワン選手とアルトゥール・ダラロヤン選手に歩み寄ってフレンドリーに一緒に写真を撮った白井健三選手。あのリ・セグワン選手と肩を組んで写真を撮るとかコミュ力の高い白井健三にしか出来ませんね

平均台決勝
優勝 リウ・ティンティン選手(中国) 14.533(D6.3 E8.233)
2位 アンネ-マリー・パドゥラリウ選手(カナダ) 14.100(D6.0 E8.100)
3位 シモーネ・バイルズ選手(アメリカ) 13.600(D6.2 E7.400)
4位 ニナ・ダーワエル選手(ベルギー) 13.466(D5.4 E8.066)
5位 エリザベス・ブラック選手(カナダ) 13.033(D4.8 E8.233)

優勝は、リウ・ティンティン選手(中国)。
中国得意の平均台、2015年の国際ジュニアでも優勝しているリウ・ティンティン選手。世界選手権の種目別決勝でも美しい演技で優勝見事でした。

2位は、アンネ-マリー・パドゥラリウ選手(カナダ)、若手17歳の選手。
こちらは、2017年の国際ジュニアの平均台で2位になっている選手ですね。
安定感のある技見事でした。

3位は、シモーネ・バイルズ選手(アメリカ)。
女王バイルズ選手、珍しくふらつきが目立った実施でしたね。
終末技のムーサンサルト(G)は見事!

平行棒決勝
優勝 鄒敬園選手(中国)16.433(D7.0 E9.433)
2位 オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ) 15.591(D6.7 E8.891)
3位 アルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア) 15.366(D6.4 E8.966)
4位 サミュエル・ミクラック選手(アメリカ) 15.233(D6.4 E8.833)
5位 林超攀選手(中国) 15.200(D6.4 E8.800)

鄒敬園選手(中国)が優勝!
なんと16.433という異次元得点でましたね。
ゾラキディス2(G)、ササキ(E)、バブサー(E)と高難度の技をキレと勢い、それでいて正確な実施!
降りの前方かかえ込み2回宙返り半ひねり降り(F)は、高さがあって膝を閉じて行って、着地ピタリ!
減点のしようのない演技凄かったです。
団体でこんな異次元得点がチーム得点に入ってくるんだから、中国チーム強いはずですね。

オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)が2位。
去年、肩を手術したばかりのオレグ・ベルニャエフ選手。
得意の平行棒でさすがの演技!
シャルロ(E)~単棒ヒーリー(E)、ティッペルトの浮く高さが凄いです!
個人総合では、3種目終わってトップも鉄棒の大過失連発で上位に来れずでしたが、来年以降は、強力なオールラウンダーぶりも再び見せてくれそうですね。

アルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア)が3位。
個人総合王者のアルトゥール・ダラロヤン選手、個人総合優勝の原動力となったこの平行棒でも強さを見せました。
数年前、後方屈伸2回宙返り(D)が大多数だった世界の潮流の中で、ロシアはベルヤフスキー選手を始め、いち早く前方系の降りを取り入れるなどの強化をしていました。前方系の降り技が流行っている現在、一足早い強化がロシアの平行棒の強さにつながってますね。

女子床決勝
優勝 シモーネ・バイルズ選手(アメリカ) 14.933(D6.7 E8.533 -0.3)
2位 モーガン・ハード選手(アメリカ) 13.933(D5.5 E8.433)
3位 村上茉愛選手(日本) 13.866(D5.7 E8.166)
4位 アンジェリーナ・メルニコワ選手(ロシア) 13.833(D5.7 E8.166)
5位 フラビア・サライバ選手(ブラジル) 13.766(D5.5 E8.366 -0.1)

優勝はシモーネ・バイルズ選手(アメリカ)。
ムアーズ(I)、バイルズ(F)、シリバス(H)と超高難度技のオンパレード。
ラインオーバーもありましたが、勝敗には全く問題ない圧巻の演技。
今大会4冠、女子体操を席巻する最強女王、予選の2日前に入院、腎臓結石と判明も、摘出せずに演技、それでこの活躍、とんでもない選手ですね。

2位はモーガン・ハード選手(アメリカ)。
去年の個人総合世界王者のモーガン・ハード選手。
床では、さすがアメリカという演技。
パワーだけではない、しなやかでテクニカルな演技が際立ってました。

3位は村上茉愛選手(日本)。
前回の世界選手権モントリオール大会の金メダリスト。
シリバスの着地を決めるなど、跳ねないとタイシャン製の床で安定した着地をまとめた村上茉愛選手、素晴らしい演技でした。
それでも4回ターンが決まっていれば、1つ上の順位もあったと2大会連続メダルの快挙も内容に満足してない様子、ロンドン五輪以前の頃の内村航平選手のようなストイックさ、世界のメダリストの貫禄出てきてますね。

鉄棒決勝
優勝 エプケ・ゾンダーランド選手(オランダ) 15.100(D6.8 E8.300)
2位 内村航平選手(日本) 14.800(D6.4 E8.400)
3位 サミュエル・ミクラック選手(アメリカ) 14.533(D6.1 E8.433)
4位 ティン・スルビッチ選手(クロアチア) 14.500(D6.4 E8.1)
5位 タン・チア・ハン選手(台湾) 14.266(D6.1 E8.166)

優勝はエプケ・ゾンダーランド選手(オランダ)。
カッシーナ(G)~コバチ(D)、コールマン(E)~ゲイロードⅡ(E)の連続手離し技を成功!着地までピタリ!
33歳にして、全盛期よりむしろ質のよくなってる最高の演技。高いDスコア6.8の演技構成を通し15.100の高得点を出しました!
33歳にして鉄棒の金メダル獲得、近年では予選落ちもあっただけにこの年齢での優勝は、ベテラン選手の希望になるような金メダルですね。

2位は日本の内村航平選手。
やはり内村航平選手の鉄棒は凄かった!
先に演技したエプケ・ゾンダーランド選手が15.100の高得点を出し、早々と金メダルを決めてしまったかのような流れのなか、他の選手もいい演技を連発。7番目に演技の内村航平選手、足の痛みもあるなか、プレッシャーは相当かかっていたはず。
演技が開始されると、手離し技も高い!ひねり技も正確に倒立にはめて、ラストの着地!
NHK杯で見せたような完璧に決まる着地!場内大歓声!
日本で何度も見たお馴染みの光景、内村航平選手の鉄棒はドーハでも全くぶれませんでした。凄すぎる選手。
点数は14.800。
Dスコア6.4のNHK杯と同じ構成のため、Dスコアの差でゾンダーランド選手には及ばなかったものの銀メダル!
日本勢が苦しめられたドーハ大会を最高の演技で締めくくってくれました

3位はサミュエル・ミクラック選手(アメリカ)。
今大会、個人総合、あん馬、平行棒と4位のサミュエル・ミクラック選手(アメリカ)。
いい演技を見せるのですが、あと一步メダルに届かない状況が続いてました。
今までに出場した世界選手権も惜しいところで個人種目でのメダルを逃していました。
この鉄棒では、着地までクリーンな演技を通し、ついに銅メダル!
さわやかな笑顔も素敵なミクラック選手、よかったなと思う銅メダル獲得でした。

世界体操選手権ドーハ大会、全ての日程が終了しました。
日本は器具に苦しめられ、日本選手に厳しく思える採点も感じました。
最終日は、白井健三選手の跳馬での銅メダル、
村上茉愛選手の床での銅メダル、
そして内村航平選手の鉄棒の銀メダルとメダルラッシュで見事に締めくくってくれました!

今日はなんといっても内村航平選手の鉄棒!日本のエースの着地でこの大会のモヤモヤしたものが全て吹き飛ぶ、やはり絶対王者は凄いなと世界に思わせる美しく強い演技。
点数では計れない見るもの全てを感動させる!期待に応える圧巻の演技は内村航平選手ならではですね。
2007年以来の金メダルなしに終わった日本勢苦戦の印象を最後に払拭するような体操ニッポンを救う演技。日本のエースが見せてくれました!

東京五輪に向けては、中国とロシアの若手の急成長と台頭。課題も見つかり、強化が急がれますが、体操ニッポンには成長著しい若手選手、頼もしいベテラン選手と強い選手がたくさんいるので、必ず対応して、さらに強くなって、来年以降、必ず団体金奪還してくれると信じています!
次は11月23日に行われるスーパーファイナル!高崎アリーナに見に行きます!
頑張れニッポン\(^o^)/