akiraの体操観戦記

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2017世界選手権個人総合決勝8位までのDスコア

2017モントリオール世界体操選手権の個人総合決勝順位上位8位までのDスコアをまとめてみました。



上位8位の選手の中で、最もDスコアが高かったのは、やはりオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)、なんと36.7という高いDスコアを記録。
新たにショーン(E)を加えたあん馬6.4と得意の平行棒6.7は、種目別でもトップクラスのDスコア、加えて高難度のひねり技を盛り込んだ床が6.2、つり輪も決勝では難度をさらに上げて6.1と高難度でした。
決勝では落下があり5.7とDスコアを下げた鉄棒ですが、予選の時は6.0が出ており、本来のDスコア合計は脅威の37.0ということになりそうです。
決勝では、あん馬と鉄棒で落下、床と平行棒でもミスがあり、本来の演技が出来ず8位に沈みましたが、8月のユニバーシアードのようにミスなくやってくるとビッグスコアが出る爆発力がありますね。

2番目に高いDスコアは、マンリケ・ラルデュエト選手(キューバ)。こちらも35.9と高いDスコア、どの種目も満遍なくハイレベルで解説の米田功さんいわく隙のない選手ですね。
床の前方2回宙返りは高さがあり、ふわっと浮く独特の凄さがあります。つり輪の力強さ、鉄棒のフェドルチェンコ(F)と迫力のある高難度技も凄いです。
予選は1位でしたが、決勝は床の着地で弾み減点されるなど、我慢の続く展開になり、5位に終わりました。
1位通過した予選では、あん馬で0.1、鉄棒で0.2さらに高いDスコアを実施。6種目合計が36.1と決勝よりさらに高いDスコアを完遂していました。脅威的ですね。

3番目に高いDスコアは、林超攀選手(中国)。35.8。
難度重視の体操王国中国の中心選手、やはり高いDスコアを誇ります。
平行棒6.4、鉄棒6.2と後半2種目に特に高いDスコアを並べてきますね。
床でラインオーバーを出し、やや出遅れますが、鉄棒の気迫の着地で2位まで順位を上げたのが印象的でしたね。
中国チームはリオ五輪ではまさかの金メダルなしの惨敗になりましたが、今後も難度重視で押してきそうですね。

4番目に高いDスコアは、我らが白井健三選手(日本)。35.7。
白井健三選手は、全日本、NHK杯と他の選手達が新ルールによる減点を警戒して、難度を抑える中、積極的に高難度技をとりいれる攻めの姿勢がよく出てました。
この世界選手権でも、新たに鉄棒で屈伸コバチを入れるなど攻めの姿勢が素晴らしかったです。
白井健三選手の凄いところは、H難度とG難度の入ったDスコア7.2の世界最高の床の演技を、6種目行う個人総合の演技でもさらっとやってのけて高得点を出してしまうところですね。
普通に考えるとH難度とG難度なんてとんでもなくハイリスクで種目別決勝でしか行えないはずなんですけど、白井健三選手にとってはそれが既に個人総合のデフォルトの演技として完成されているところに異次元の凄さを感じます。
跳馬は逆にDスコア6.4のシライ2を行わずに6.0のシライ/キムヒフンで他を圧倒するクオリティの実施。
跳馬を得意としてる他の選手の一つ上を行く高得点を出せるところが凄いです。
これからも攻めの演技でDスコア、Eスコアともに高めていってくれることでしょう。

5番目に高いDスコア35.3は肖若鵬選手(中国)。今大会個人総合の優勝者ですね。
肖若鵬選手(中国)は、あん馬と鉄棒でさらに難度を上げられる力を持っていながら、あえて安定した構成にして美しい実施で勝負してきましたね。とはいえ35.3でも十分に高い。
2015年世界選手権で大過失を連発した反省がここにきて生かされてますね。
優勝したのが、Dスコアの最も高い選手ではなく、Eスコアが最も高かった肖若鵬選手(中国)というところが、新ルールで初めて行われた世界選手権である今大会を象徴してるでしょうか。

同じく5番目に高いDスコア35.3を出したダビド・ベルヤフスキー選手(ロシア)。
5種目目終了時までは、非常に丁寧に演技していて、あん馬と平行棒で高得点を上げてトップに立ち、優勝にまさに手をかけていましたが、それだけに最後の鉄棒のヤマワキ(D)での落下が衝撃的で残念でした。

世界選手権の個人総合は、Dスコアの高い選手や優勝候補の実力者達でも、1つのミスで脱落していくというサバイバル展開になる難しさを感じました。
オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)やマンリケ・ラルデュエト選手(キューバ)ら優勝候補の大本命がまさか自分の演技が出来ない展開になるとは。ダビド・ベルヤフスキー選手がまさか最後の鉄棒で比較的落下するリスクの少ないヤマワキ(D)で落下するとは誰が予想できるでしょうか。
それを考えると世界選手権個人総合6連覇、オリンピック個人総合2連覇、8年間個人総合無敗の内村航平選手の凄さがどれだけもの凄い大偉業だったかわかりますね。
会場全体、世界中が注目するプレッシャーなど微塵も感じさせない研ぎ澄まされた集中力。躍動感とエネルギーに満ち溢れた美しい演技。あん馬が通ればほぼ優勝が確定する絶対的安心感。種目が進むごとにどんどん後続を引き離し独走状態になってく強さ!凄すぎます!
今回の世界選手権だって怪我さえなければと思いますが、早く足を完全な状態に治して、また強すぎる内村航平選手の快進撃を見たいです\(^o^)/