akiraの体操観戦記

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加藤凌平選手が現役引退

加藤凌平選手が8月30日に現役引退を表明しました。

 

加藤凌平選手は、2012年ロンドン五輪に日本チーム最年少の18歳大学1年生で世界デビューし、チームにミスが続出する中、落ち着いた軽やかな演技で任された種目全てで高得点を上げる活躍で団体銀メダルに貢献しました。

翌年2013年の世界体操選手権アントワープ大会では、個人総合で銀メダルを獲得、金メダルの内村航平選手と日本勢ワンツーフィニッシュの快挙を達成しました。

2015年の世界体操選手権グラスゴー大会では、足首のけががありながらも、任された種目で完璧な着地を見せ、日本チーム悲願の団体金メダル獲得に貢献。

2016年リオ五輪では、予選から団体決勝まで、まったくミスを出さない安定感抜群の演技で12年ぶりのオリンピック団体金メダルを獲得、日本中が歓喜に沸きました。

今は失敗しない男といえば萱和磨選手ですが、その前は安定感といえば加藤凌平選手でした。大舞台でのメンタルの強さは凄まじいものがありました。

内村航平選手と加藤凌平選手が入った時の日本代表の安定感は半端なかったです。

パリ五輪の団体金メダルは、中国のミスもあっての大逆転でしたが、リオ五輪は中国もロシアもいる中で2.641の大差をつけての圧勝、最強でしたね。

 

ロンドン五輪後の2012年12月の全日本体操団体選手権も印象に残ってます。

同学年のライバル野々村笙吾選手と順天堂大学のダブル1年生エースとしてチームをひっぱり、内村航平選手、田中佑典選手、植松鉱治選手、沖口誠選手、小林研也選手、中島立貴選手という日本代表をずらりと揃えた王者コナミとの激しい優勝争い。4種目目跳馬順天堂大学コナミを逆転し、平行棒、鉄棒とミスのない演技で順天堂大学が競り勝ち優勝。加藤凌平選手は6種目、野々村笙吾選手は5種目を行い高得点の活躍。次世代エースの勢いを感じる試合となりました。

 

2013年4月のワールドカップ東京大会で共に19歳(大学2年)だったオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)との対決も印象強いですね。

この時の加藤凌平選手はロンドン五輪で活躍して次世代エースとして勢いがありました。対するオレグ・ベルニャエフ選手は当時、内村航平選手並みの高い6種目Dスコアを持つ若手として海外で注目されていました。

オレグ・ベルニャエフ選手は予想以上に強くて驚いたし、加藤凌平選手もオレグ・ベルニャエフ選手と同じ38.1までDスコアを上げていて、ここまでやるのかと驚きました。

それぞれいい演技もあればミスもあるという中で0.2差でオレグ・ベルニャエフ選手が加藤凌平選手に競り勝つという結末でした。

ここで加藤凌平選手に日本で勝利して勢いづいたオレグ・ベルニャエフ選手は、2016年リオ五輪絶対王者内村航平選手と世紀の名勝負を繰り広げることになるという因縁の始まりのような試合でした。

30歳となったオレグ・ベルニャエフ選手は今回のパリ五輪の個人総合でも8位。4種目終わってトップに立つなど今だに世界の個人総合で存在感をしめしてますね。

オレグ・ベルニャエフ選手は内村航平選手との激闘が有名ですが、加藤凌平選手と同い年のライバルとしてユニバーシアードとか対決が多かったから、加藤凌平選手のライバルというイメージも強いです。

 

加藤凌平選手は、2013年5月の東日本インカレで直前のウォーミングアップ中につり輪が切れるアクシデントで肩を痛めたり、2015年8月の全日本インカレで跳馬のロペスで足首を怪我するなど、怪我も多かったですが、2013年は世界体操選手権で個人総合銀メダルの活躍、2015年は世界体操選手権団体金メダルに貢献するなど、怪我を乗り越える強さが凄まじく、感動を覚えます。

 

リオ五輪以降、ルール改正や新世代の台頭でなかなか上位に入れなくなりましたが、2022年のKOHEI UTIMURA THE FINALでは持ち味の安定感のあるゆかの演技で内村航平選手の引退に華を添えていました。

怪我を乗り越えて、オリンピックの金メダルを獲得した加藤凌平選手、大舞台の極限のプレッシャーの中でも涼しい顔で演技を成功させる強さに、たくさん勇気と感動をもらいました。ありがとうございます。これからの活躍も応援しています。

 

加藤凌平選手の戦歴

2010年

全日本種目別選手権 種目別ゆか3位

 

2011年

全日本体操選手権個人総合7位

NHK杯8位

 

2012年

全日本体操選手権個人総合3位

NHK杯4位

ロンドン五輪 団体銀メダル

全日本種目別選手権 種目別ゆか優勝 あん馬2位 平行棒8位 鉄棒6位

団体優勝(順天堂大学)

 

2013年

ワールドカップ東京大会 個人総合2位

全日本体操個人総合選手権 2位

NHK杯2位

ユニバーシアードロシア・カザン大会 団体3位 個人総合2位

種目別ゆか優勝 あん馬5位 平行棒4位 鉄棒3位

世界体操選手権アントワープ大会 個人総合2位 種目別鉄棒7位

全日本体操団体選手権 3位(順天堂大学)

 

2014年

全日本体操個人総合選手権 3位

NHK杯 3位

全日本体操種目別選手権 種目別ゆか2位 あん馬7位

世界体操選手権南寧大会 団体2位 種目別ゆか6位 平行棒3位

全日本体操団体選手権 2位(順天堂大学)

 

2015年

アメリカンカップ 個人総合2位

全日本体操個人総合選手権 個人総合3位

NHK杯 NHK杯3位

アジア体操競技選手権大会 団体優勝 個人総合優勝 種目別あん馬7位 平行棒7位

世界体操選手権グラスゴー大会 団体優勝

全日本体操団体選手権 団体2位(順天堂大学

 

2016年

全日本体操個人総合選手権 個人総合3位

NHK杯 個人総合2位

リオ五輪 団体金メダル 個人総合11位 種目別平行棒7位

全日本団体選手権 団体3位(コナミスポーツ)

 

2017年

全日本体操個人総合選手権 個人総合9位

NHK杯8位

全日本体操種目別選手権 種目別ゆか3位 平行棒4位

全日本体操団体選手権 団体2位(コナミスポーツ

 

2018年

全日本体操個人総合選手権 個人総合12位

NHK杯 個人総合15位

全日本体操種目別選手権 種目別ゆか3位 鉄棒4位

全日本体操団体選手権 6位(コナミスポーツ

 

2019年

全日本体操個人総合選手権 個人総合24位

NHK杯 個人総合19位

全日本体操団体選手権 団体4位(コナミスポーツ

 

2020年

全日本体操個人総合選手権 個人総合44位

 

2021年

全日本体操団体選手権 団体9位(コナミスポーツ

 

2023年

全日本体操個人総合選手権 ゆか予選55位

 

2024年

全日本体操個人総合選手権 ゆか予選43位