akiraの体操観戦記

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ニキータ・ナゴルニー選手(ロシア)が優勝!2019シュトゥットガルト世界体操選手権男子個人総合決勝

世界体操選手権、男子個人総合決勝が行われました。

 

優勝 ニキータ・ナゴルニー選手(ロシア) 88.772

2位 アルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア) 87.165

3位 オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ) 86.937

4位 肖若鵬選手(中国)86.690

5位 孫偉選手(中国)86.523

6位 萱和磨選手(日本) 85.899

7位 サミュエル・ミクラック選手(アメリカ) 85.691

8位 ジョー・フレイサー選手(イギリス)85.098

9位 ペトロ・パクニク選手(ウクライナ)84.931

10位 カルロス・ユーロ選手(フィリピン)84.048

11位 唐嘉鴻選手(台湾) 83.816

12位 李智凱選手(台湾)83.798

13位 カイオ・ソウザ選手(ブラジル)83.765

14位 ジェームズ・ホール選手(イギリス) 83.532

15位 パブロ・ブレガー選手(スイス) 82.824

16位 ユル・モルダウアー選手(アメリカ)82.330

 

優勝はニキータ・ナゴルニー選手(ロシア)。

去年の世界選手権個人総合銅メダリストにして、ロシア躍進の原動力になっているダブルエースの一翼、ニキータ・ナゴルニー選手。

予選、団体決勝と今大会圧倒的強さを見せていましたが、この個人総合決勝でも圧巻の演技で優勝!

床ではH難度リューキン(後方3回宙返り)の超大技を決める豪快な演技。15.041(D6.4、E8.641)

あん馬ではショーン!移動も丁寧、そして落ちない危なげない実施。14.566(D6.2、E8.366)

つり輪は何年も前から強化が進んでいるロシア選手ならではの正確な姿勢の実施。14.633(D6.0、E8.633)

つり輪ロシアは各選手、同じ演技構成を実施してきますね。国として減点の少ない技を研究しているのが伺えます。

跳馬では、ドラグレスクを着地ピタリ!

高さといい、着地をピタリと止める強靭な足腰。かなり熟練度の高さを感じる実施。15.066(D5.6、E9.466)

平行棒では、シャルロ(E)~ヒーリー、後半のディアミドフ、ディアミドフ1回ひねりと鋭くブレずに倒立に上がるので、迫力です。15.300(D6.4、E8.900)

リチャード(E)、アームツイスト(E)と難度の高い腕支持系の技を実施してくるのもロシアの徹底した強化を感じます。

現在、世界的に主流になっている前方かかえ込み2回宙返り半ひねり降り(F)も、前方系の難度が格上げになったタイミングでロシアがいち早く取り組んできてました。

最終種目の鉄棒は、トカチェフ系の技が多いですが、降り技は伸身新月面宙返り降り。一歩弾んだものの、まとめました。14.166(D5.8、E8.366)

勝利を確信して、点数が出る前にダラロヤン選手と国旗を持って喜んでましたね。

合計得点はなんと88.732!とてつもない超高得点を世界選手権で出してきました。

6種目合計Dスコアも36.4と高いです。

それでいて、Eスコアも52.732(1種目平均8.728)。

ニキータ・ナゴルニー選手は、シドニー五輪時のアレクセイ・ネモフ選手を彷彿とさせるような凄みありますね。

 

2位にアルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア)。

去年優勝のアルトゥール・ダラロヤン選手。

床では、精度の高い連続技。ナゴルニー選手とまた違った凄さあります。15.200(D6.5、E8.700)

あん馬ではブスナリ(F)、後半やや移動で苦しい感じありましたが、堪えました。14.000(D5.8、E8.200)

つり輪はナゴルニー選手に次ぐ全体2位。14.433(D6.0、E8.433)

跳馬、ブラニクであわや尻もちという限りなく大過失に近い着地になりましたが、それにしては減点が少ない感じです。14.066(D5.6、E8.566、減点-0.1)。

平行棒はさすがの強さ。15.233(D6.4、E8.833)

鉄棒では、カッシーナを抜いて屈伸コバチにしてきました。14.233(D5.7、E8.533)

跳馬の失敗がありながらも合計得点87.165と高得点で2位。

6種目合計Dスコアは36.0でした。

 

3位にオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)。

肩の怪我から復活してきました。

苦手の鉄棒で13.666と振るわず。床でラインオーバーもありましたが、得意の平行棒では15.475と全体1位。

合計スコア86.937、6種目合計Dスコアは全選手中トップの36.7。

まだ本調子ではない状態とのことですが、持ち味の高いDスコアは健在。

オレグ・ベルニャエフ選手の復活は嬉しいですね。

 

4位に肖若鵬選手(中国)。

2017年世界選手権個人総合王者にして、去年は優勝したダラロヤン選手と同点ながら、タイブレイクで銀メダルとなった肖若鵬選手。

ナゴルニー選手に迫るような得点を重ねていましたが、金メダルを狙うために最後の鉄棒で勝負に出ました。

種目別用に用意していたと思われるリューキン(F)と伸身トカチェフ(D)~開脚トカチェフ(C)~リンチ(D)の3連続を実施!惜しくもリンチ(D)で近づき、倒立に持っていけず落下。

得点は12.666(D6.0、E6.666)。

合計得点は86.690。落下があってもトップと2.082差の4位。

6種目合計Dスコアは36.0でした。

 

5位に中国の孫偉選手(中国)。

大柄ですが、勢いのい体操をする選手。

団体では、鉄棒で痛恨の落下。

中国チームが金メダルを逃す事態になって、泣き崩れるシーンが印象的でした。

今日の鉄棒は、団体で落下した技を慎重に行い成功させました。

合計得点は86.523。6種目合計Dスコアは35.4。

 

6位に萱和磨選手(日本)。

予選、団体決勝、そしてこの個人総合と全種目出場。

今回の世界選手権、日本のエースとして18演技戦い抜きました。

跳馬ドリッグス(D5.2)でのラインオーバーの一歩が惜しかった。14.000(D5.2、E8.9、減点-0.1)。

今まで日本の弱点種目と言われていたつり輪で全体3位の14.300(D6.1、E8.200)。

海外の強豪達ですら行わないF難度の大技、伸身新月面宙返り降り技、見事に決めました。

 平行棒でも全体6位の15.000(D6.3、E8.700)の高得点。

そしてさすがの全体通しての安定感。

気迫のこもった素晴らしい試合、見せてくれました。

合計得点85.899。6種目合計Dスコアは35.8。

 

7位はサミュエル・ミクラック選手(アメリカ)。

ワールドカップ東京大会を素晴らしい演技で優勝し、今回こそはメダル取れるか注目されたアメリカエースのミクラック選手。

平行棒で全体2位の15.325(D6.4、E8.925)。鉄棒で全体1位の14.700(D6.1、E8.6)を出してさすがでしたが、あん馬、ブスナリ(F)で落下。13.000。

合計得点85.691。6種目合計Dスコアは34.7でした。

落下がなければ2位になってますね。

 

上位4人のDスコアが36点台というハイレベルな争いとなった今回の世界選手権個人総合決勝。

8年間に渡り世界の頂点に君臨し続けた絶対王者内村航平選手を見習い技を磨いてきた世界のライバル達が強くなって、世界の個人総合全体のレベルが引き上げられてますね。

ロシア勢2人と中国勢2人の強さ。

そしてオレグ・ベルニャエフ選手の復活。

日本の萱和磨選手も去年より、成長見せてくれましたが、世界もより強くなってます。

日本も東京五輪で金メダルを取るためには、怪我をしないようにしながら、さらなる強化が必要ですね。

内村航平選手も復活してほしい。

東京五輪で、内村航平選手とニキータ・ナゴルニー選手との頂上対決を見たいです。

 

世界体操選手権は、まだまだ続き、今夜からは種目別決勝が行われますね。

橋本大輝選手があん馬と鉄棒、萱和磨選手があん馬と平行棒に出場するので、日本の美しい体操を見せて頑張ってほしい!

頑張れニッポン\(^o^)/