akiraの体操観戦記

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2017モントリオール世界体操選手権種目別決勝前半

2017モントリオール世界体操選手権も男女の個人総合決勝が終わり、舞台をスペシャリストの競演、種目別決勝へと移します。
世界のスペシャリスト達が世界最高峰の技を披露しました。
テレビ朝日の解説が、男子米田功さん、女子大島杏子さんだったのですが、白井健三選手のお父さんの白井勝晃さんも解説に加わっていました。
白井勝晃さん、さすが白井健三選手のお父さんですね。初めてのテレビ解説だろうにコメントが場馴れしてるというか、ジュニアの指導者としての豊富な知識を絡めたコメントで安定していました。

男子床
優勝白井健三選手(日本)           15.633(D7.2 E8.433)
2位アルテム・ドルゴピャト選手(イスラエル)14.533(D6.5 E8.033)
3位ユル・モルダウアー選手(アメリカ)     14.500(D5.8 E8.7)
4位ブラム・ベルホフスタド選手(オランダ)  14.333(D6.1 E8.233)
5位トマス・ゴンザレス選手(チリ)        14.266(D6.0 E8.266)

日本の白井健三選手が優勝!
予選、個人総合と圧巻の演技で全選手、全種目最高点をマークしていた白井健三選手の床!
新ルールになって、技の出来栄えを重視するようになっても、その評価は断トツでした。
今シーズンから取り入れているH難度のシライ3の着地も決め、そのひねりと回転のスピード、高さに場内どよめき!続くG難度リ・ジョンソンの着地もピタリ!
とんでもない超大技2発を軽々と決めます。
リオ五輪の時に着地を乱した後方2回半ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)の超高難度ひねりの連続も安定していました。前方1回ひねり~シライ2、後方3回半ひねり~前方伸身1回ひねりでやや後ろに一歩動きましたが、最後のシライ/グエン(F)の着地も決めて、ガッツポーズ!
圧巻の演技を終え、点数を待つまでもなく優勝を決めたのを確信して、ほっとしたポーズが印象的でした。
得点は15.633!予選、個人総合決勝よりはわずかに点数を落としましたが、それでも2位に1.1もの大差をつけるぶっちぎりの圧勝でした\(^o^)/

2位にイスラエルのアルテム・ドルゴピャト選手。冒頭にG難度のザパタ(前方かかえこみ2回宙返り1回半ひねり)決めてきました。長身から繰り出される高さのあるダイナミックな宙返りが光りました。
イスラエルといえばシャティロフ選手が有名ですが、このドルゴピャト選手もさすがスペシャリストという動きでしたね。

3位にアメリカのユル・モルダウアー選手。
今年の全米個人総合王者のユルモルダウアー選手、Dスコアは5.8と決勝進出選手の中では、一番低いですが、Eスコアがトップでした。小柄ながらスピーディでキレのあるシャープな演技、着地も丁寧に決めて、さすが全米個人総合王者といった勢いを感じました。

着地で弾かれてる選手が多く、今回のフロアに各選手苦戦してる印象でした。
ドネル・ウィッテンバーグ選手(アメリカ)やマンリケ・ラルデュエト選手(キューバ)など、ダイナミックな高い宙返りの着地が止まらず、点数が伸びず、苦戦してましたね。

女子跳馬
優勝マリア・パセカ選手(ロシア)                      14.850
1本目14.850(D6.0 E8.7) 2本目15.000(D5.8 E9.2)
2位ジェイド・キャリー選手(アメリカ)                  14.766
 1本目14.800(D5.8 E9.0) 2本目14.733(D5.6 E9.133)
3位ジウリア・シュタイングルーバー選手(スイス) 14.466
 1本目14.633(D5.8 E8.933) 2本目14.300(D5.4 E8.9)
4位エリザベス・ブラック選手(カナダ)                 14.416
 1本目14.566(D5.4 E9.166) 2本目14.266(D5.2 E9.066)
5位オクサナ・チュソビチナ選手(ウクライナ)        14.366
 1本目14.433(D5.4 E9.033) 2本目14.300(D5.2 E9.1)
8位宮川紗江選手(日本)                                13.800
 1本目14.500(D5.8 E8.7)2本目13.100(D5.4 E7.7)

優勝はロシアのマリア・パセカ選手。
1本目チェンフェイ(ロンダート~1/2ひねり着手前転跳び前方伸身宙返り1回半ひねり)D5.8の大技、着地と空中姿勢乱れましたが決めてきました。
2本目はアマナール、きれいに決めてきました。
高難度技を2本揃えてさすがの優勝!

2位にアメリカのジェイド・キャリー選手。
さすがアメリカの跳馬代表で出場してくるだけあって、1本目がアマナール高さがありました。

日本の宮川紗江選手は、1本目のチュソビチナは見事に決めましたが、2本目のユルチェンコ2回ひねりで前に転倒して、8位に終わりました。

優勝マックス・ウィットロック選手(イギリス)         15.441(D6.9 E8.541)
2位ダビド・ベルヤフスキー選手(ロシア)            15.100(D6.4 E8.7)
3位肖若鵬/シャオルオテン選手(中国)            15.066(D6.4 E8.666)
4位アレクサンダー・ナドゥール選手(アメリカ)    14.750(D6.3 E8.450)
5位ハルチューン・メルディヤン選手(アルメニア)14.700(D6.2 E8.5)

優勝はマックス・ウィットロック選手(イギリス)。
個人総合に出場していないため、今大会初めて見ました。
得意のあん馬でブスナリ(F)、Fコンバインと攻めてきました。
Dスコアは脅威の6.9!
イギリスのスターが力を見せました。

2位にダビド・ベルヤフスキー選手(ロシア)。
個人総合でも高い得点を出していたあん馬
ショーンを決めて、丁寧で優雅なあん馬さすがでした。
15.1と高得点!

3位に肖若鵬選手(中国)。
個人総合の時にブスナリ(F)が入っていなかったので、落下しないように演技構成を落としてたのかと思いましたが、種目別では、攻めてきました。
中盤での高速ブスナリ(F)、肖若鵬選手らしい勢いのあるあん馬でした。

優勝 范憶琳/ファン・イーリン選手(中国)         15.166(D6.5 E8.666)
2位 エレーナ・エレミナ選手(ロシア)               15.100(D6.3 E8.8)
3位 ニナ・デルワエル選手(ベルギー)              15.033(D6.3 E8.733)
4位 アナスタシア・イリアンコヴァ選手(ロシア) 14.900(D6.2 E8.7)
5位 エリザベス・サイツ選手(ドイツ)                14.766(D6.1 E8.666)

優勝は范憶琳選手(中国)。
2015年の段違い平行棒、優勝者が4人出て話題になった時の優勝者の1人ですね。
中国お家芸の片手軸のひねり技、大逆手前方車輪片手上で1回ひねり、決めてきました。
手離し技と移動技の連続もたくさん入っていて、解説の白井勝晃さんも言ってましたが、中国伝統の段違い平行棒のいい所と最近の流行の多彩な手離し技を合わせて進化させたような演技でした。
降り技も新技申請している大逆手から1/2ひねり後方抱え込み2回宙返りと独特でした。

2位にエレーナ・エレミナ選手(ロシア)。
ロシアらしい優雅で美しい演技でした。
フット伸身トカチェフ(G)迫力ありました。
4位のアナスタシア・イリアンコヴァ選手(ロシア)と共に2015年の国際ジュニアに出場し、アメリカ勢に続いて3位に入った選手ですね。
今大会、個人総合3位、段違い平行棒2位と大活躍です。

3位、ベルギーのニナ・デルワエル選手。
スラッとした長身から繰り出されるスローモーションかと思うような雄大で優雅な演技は、独特の存在感抜群でした。
新技申請しているシュタルダートカチェフ1/2ひねり見事に決めました。

アメリカのアシュトン・ロックリア選手は、肩を痛めていたとのことで、落下もあり、不安定な演技となってしまいました。強豪アメリカの代表、本来は、優勝候補でしょうに、落下した時は涙もありました。
今大会、強い選手に怪我が多くなってますね。体操競技がいかに過酷な競技かわかります。

つり輪
優勝 エレフテリオス・ペトロウニアス選手(ギリシャ)15.433(D6.3 E9.133)
2位 アブリヤジン・デニス選手(ロシア)                15.333(D6.3 E9.033)
3位 劉洋/リュウ・ヤン選手(中国)                      15.266(D6.3 E8.966)
4位 サミル・アイ・サイド選手(フランス)             15.258(D6.2 E9.058)
5位 イブラヒム・チョラック選手(トルコ)                15.066(D6.2 E8.866)

優勝は、エレフテリオス・ペトロウニアス選手(ギリシャ)。
握らない中水平、やってきました。
降りの新月面、僅かにはずみましたがガッツポーズ!
重力を感じさせない力強い演技、さすが2013年のコトブス国際で植松鉱治さんが、ワールドカップでその演技を初めて目の当たりにして、思わず「えげつないやついた」とツイッターで驚きの呟きをあげてしまう凄さですね。

2位にロシアのアブリヤジン・デニス選手。
降りに伸身新月面決めてきました。
床、つり輪、跳馬のロシアのスーパースペシャリスト、団体戦のポイントゲッター、今年はさらにパワー増してますね。存在感を見せてきました。

3位に中国の劉洋選手。
中国のつり輪のスペシャリスト。他の選手が真似出来ないほどの理想的な姿勢を完璧に表現する十字倒立では、歓声がおこりました。
十字懸垂では、長く止めて首を傾げ余裕だよアピール!
エキジビションでは、やる選手もいますが、まさか世界選手権の種目別決勝、極限の力技の競い合いでやってくるとは驚きです。
その影響か伸身ムーンサルトの着地はわずかに弾んでましたね。

4位にフランスのサミル・アイ・サイド選手、リオ五輪の予選の跳馬で着地に失敗し、骨折する大怪我をおった選手、復活して、世界の舞台に戻ってきました。
力技は、以前より強くなってますね。15点超えの4位はさすがです。

つり輪のスペシャリストでロンドン五輪つり輪王者、リオ五輪つり輪2位のアルトゥール・ザネッティ選手は、14.900で7位に終わってますね。

種目別決勝、世界のスペシャリストの演技は、圧巻ですね。
あん馬やつり輪でも15点超えの勝負になっています。
その中で、日本の白井健三選手、15.633の超高得点!
世界の種目別で2位に1点以上の大差をつけるってものすごい異次元の演技ですね\(^o^)/
大本命が一発勝負で盤石の演技をして圧勝。まさに王者の風格でした。
2位と3位の選手に自ら呼びかけて、写真撮影をするところ、演技が凄いだけでなく、気配りが出来る男、さすが白井健三選手です。

明日の種目別後半には、跳馬白井健三選手、安里圭亮選手。
鉄棒に宮地秀享選手。
床に村上茉愛選手が出場。

内村航平選手が負傷で棄権の中、思いを託されたメンバー達が、世界を驚かせてくれることと思います
頑張れニッポン\(^o^)/