akiraの体操観戦記

体操競技を応援するブログです!

2016全日本体操競技選手権大会男子決勝

全日本体操競技選手権大会、本日は決勝が行われました。
代々木体育館に見に行きましたが、お花見時期とも重なって、原宿駅のあたりから、凄い人の多さでした。
代々木体育館にも長蛇の列が出来ていて、オリンピックイヤーの選考会の注目度が伺える盛況ぶりでした。

優勝 内村航平選手 91.300
2位 白井健三選手 89.700
3位 加藤凌平選手 89.400
4位 神本雄也選手 89.250
4位 齊藤優佑選手 89.250
6位 田中佑典選手 89.050
7位 今林開人選手 87.700
8位 萱和磨選手 87.550
9位 山室光史選手 87.350
10位谷川翔選手 87.100
11位 市瀬達貴選手 87.000
12位 長谷川智将選手 86.950
13位 岡村康宏選手 86.900
13位 谷川航選手 86.900
15位 石川大貴選手 86.850
16位 古谷嘉章選手 86.750

優勝は内村航平選手。やはり凄かった。
去年の世界選手権で見せたDスコア39.4の極限構成を披露。
得意の床はDスコア6.9のひねりの鋭さが凄まじかった。
後方3回半ひねり(E)~前方1回半ひねり(C)、前方1回ひねり(C)~前方2回半ひねり(E)、後方2回半ひねり(D)~前方2回ひねり(D)と高難度の連続技を美しい実施で決めると、後半に入る新月面の着地を決めてどよめき!
ラストの3回ひねりの着地こそ珍しく1歩弾むも、15.7の高得点。

あん馬は完璧な実施で高いEスコア9.0を出し15.2。

つり輪は中水平を2つ入れた構成で倒立で若干ふらつくシーンもあったものの、着地は見事に決めて14.6。

跳馬は去年から取り入れ、世界選手権でも日本チームの武器となったリ・シャオペン(D6.2)を実施。
着地で崩れ両手を着くめったにみない大過失となりました。

平行棒でも6.8の高いDスコアの構成。マクーツ(E)で足がバーに当たるミスがでますが、力で倒立まで持っていき、最小限の減点に抑えてフィニッシュ。修正力の高さを見せました。

そして全体の最終演技となった締めの鉄棒。
世界一美しい屈伸コバチからはじまり、雄大なカッシーナ、アドラー1/2ひねり(D)~コールマン(F)、アドラー1回ひねり(D)~ヤマワキ(D)と次々成功。
最後の伸身新月面宙返り降りの着地もピタリ!本日最大の大歓声!
去年の世界選手権種目別でも金メダルを取ったこの鉄棒。数々の大舞台を沸かせてきた奇跡の着地で今回もみんなの期待に応えてくれました

跳馬大過失を出し、平行棒でもミスがでて流れが悪くなりかけた時でも、最終演技者で期待と注目をあびる中、この鉄棒をこれだけ完璧に着地まで決めてこれるのは、さすが日本のエース、世界王者内村航平選手ですね。
圧巻の優勝!全日本選手権9連覇達成!おめでとうございます\(^o^)/

白井健三選手がなんと2位!
いつかは来ると思っていましたけど、予想より早かったというか、でも当然のような気も!
世界の1歩も2歩も上を行く床の世界王者にして、自分の名前のついた技を既に4つも持つ稀代の床のスペシャリスト。
類まれな勝負強さと空中感覚を持つ、成長著しい日本体操会のホープ全日本選手権の個人総合でついに2位まできました。
2011年に中学3年生にして強力なひねり技を武器に全日本種目別選手権で2位となった少年が成長したなと思うと、感慨深いものがありますね。
苦手としているあん馬とつり輪を14点台で乗り切ると、跳馬でシライ/キムヒフンで15.5の高得点!
平行棒で前方2回宙返り1/2ひねり降りと鉄棒はフェドルチェンコとF難度の降り技を見事に決めました。
そして最終種目が最も得意な床、H難度のシライ3は行わなかったものの、後方3回半ひねり(E)~前方2回ひねり(D)をピタリ!前方1回ひねり(C)~シライ2(F)、後方2回半ひねり(D)~前方2回半ひねり(E)と超高難度の連続技を次々と着地まで決め、最後の後方4回ひねり(F)の着地も決めて、場内大歓声!
Dスコア7.6、16.500の最高得点が表示されて、場内どよめき!
床のスーパースターが個人総合でも89.700と一気に2位と驚きの凄さを見せました!

加藤凌平選手が3位。
今日も6種目全てで大きなミスを出さずに、予選に続いて抜群の安定感を見せた加藤凌平選手でしたが、89.400の3位。
去年の足首の怪我から、ここまでの状態に戻してきただけでも凄いことなのですが、オールランダーとして覚醒したワンダーボーイ白井健三選手を抑えられずに3位となってしまいました。
惜しむらくは、鉄棒のアドラー1回ひねり後、ヤマワキにつなげられず、足を曲げてしまうミスが出たこと。
もしかしたら演技を通さなければ2位を守れないというプレッシャーがかかってたのかもしれませんね。

神本雄也選手が4位。
2010年ユース五輪王者にして、2014年アジア王者でもある神本雄也選手。
その高い総合力と安定感を見せてくれました。
89.250は加藤凌平選手と0.150と僅差。
最も得意な平行棒では、F難度の降り技の着地も決めて、15.900の高得点でました。

齊藤優佑選手が4位タイ。89.250は加藤凌平選手と0.15差しかありません。
驚きですね。
2014年アジア大会の鉄棒銀メダリスト、なんといっても今回は鉄棒でしょう。
植松鉱治選手から2代目ハイバーマスターを受け継いで臨んだ今大会、ついに噂の超大技H難度のブレットシュナイダーを披露!
見事に決めて、カッシーナ、コールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキと次々成功、着地まで決め、Dスコア脅威の7.5を完遂、16.000の最高点出ました。
いやー凄まじい超大技ブレットシュナイダー見事に決めてくれました!
ちゃんと2回ひねってるのもわかりました。
跳馬でも種目別決勝常連の実力者。15.5と白井健三選手と並んで最高点出してます。総合でもこれほどの実力者だったんですね。
今回攻めた演技をして、それを成功させた選手が上位にきたのは嬉しいですね。

田中佑典選手が6位。89.050。
あん馬のラストの落下で13.350を出してしまって、一時は26位まで順位を下げた田中佑典選手でしたが、G難度のヤマムロを成功させた平行棒で16.050、Dスコア7.3を見事に通してきた鉄棒で16.000と後半2種目で16点超えの最高点を並べての追い上げは迫力ありました。美しくしなやかな実施はさすがです。
2位の白井健三選手と0.65と小差なので、2位~6位までは凄い接戦でしたね。

今林開人選手が7位。87.700。ここで6位との差が一気に1.350開きます。
あん馬のブスナリの変形技が凄かったです。15.4の高得点。

萱和磨選手が8位。87.550。
得意のあん馬で13.800と得点を伸ばせませんでしたが、平行棒ではキレのある動きで15.450と高得点。

山室光史選手が9位。87.350。
昨日12.2と大きなミスが出た床を14.1で乗り切ると、あん馬14.850、得意のつり輪15.150と順調に得点を並べていった山室光史選手でしたが、跳馬のロペス(D6.0)で転倒、マットの外まで出てしまい13.700。最後の平行棒はオリジナル技のヤマムロ(棒下マクーツ(G))を決めて、15.500の本日平行棒3位の高得点。
ミスもでましたが予選で33位だったことを考えると、まずまず巻き返してきました。

谷川翔選手が10位。87.100。
ブスナリ(G)を成功させた3種目目のあん馬が14.800の高得点。
この時点で暫定3位と表示されて場内驚きでしたが、このハイレベルな試合展開の中、10位のフィニッシュは高校生としては素晴らしいです。

その他の注目の選手は、長谷川智将選手が12位。得意のあん馬が15.450、ブスナリ(G)と豪快な開脚旋回が見事でした。
鉄棒もエンドー1回ひねり~ヴィンクラー、リバルコ~バラバノフ、コールマン、着地の伸身新月面までピタリと決めて魅せてくれました。15.200。

岡村康宏選手が13位。つり輪で鬼のような力技の連続。水平姿勢が美しかった。15.300は武田一志選手と並んで本日のつり輪1位。

谷川航選手が13位タイ。床と跳馬が素晴らしかった。一班で堂々たる演技、軽やかな動きがよかったです。
平行棒のティッペルトでバーにのるミスと鉄棒のアドラー1/2ひねりで戻るミスが痛かったです。

亀山耕平選手のあん馬もさすが2013年の世界王者といった素晴らしい演技。
ブスナリ(G)と入りの違うブスナリ(F)を2つ入れた演技構成よかったのですが、降りが3部分移動出来ず、C難度になって特別要求が取れなかったもよう。
それでも15.500は本日のあん馬最高点。

そして、野々村笙吾選手が86.150で22位と苦戦。
目を疑いましたが、跳馬で転倒して、昨日の4位が、そんな下になってしまっていたとは。
あん馬、平行棒、鉄棒でも大過失こそなかったですが我慢の演技になっていたもよう。
一発勝負の持ち点なしの怖さですね。
そして今日の得点は持ち越すという・・・。

早坂尚人選手も24位。昨日からあまり順位上げられず。
床の後方1回半ひねり(C)~前方2回半ひねり(E)の転倒が痛かったですね。

オリンピック代表への道は5月5日のNHK杯へと戦いは続くわけですが、白井健三選手の躍進、有力選手にも波乱があって代表選考的には、ますます混沌としてきた感じです。
加藤凌平選手や田中佑典選手も世界選手権の個人総合メダリストとしてはこのまま終わるわけはないだろうし、個人総合一枠の争いもますます熾烈になってきますね。
貢献度での選考でも基準となる個人総合枠の選手が変わると、これまた有利不利が変わってくるわけなのですが、種目別選手権が終わるまでこれまた僅差の戦いになってきますね。
これだけハイレベルな国内予選も前回団体金ダメルの体操ニッポンならではです。
内村航平選手もこれだけハイレベルな世界一の素晴らしい演技を見せてくれたのにも関わらず、大過失を出してしまい自分に怒りを感じているとまで言ったところに世界王者にしか見えない高みを目指しているんだなと関心させられます。
NHK杯ではきっと内村航平選手自身が納得する演技を見せてくれますね。

リオ五輪の団体金メダルを目指す優勝候補筆頭に相応しい、素晴らしい国内予選第一ラウンドでした。
絶対エースのあくなき向上心。躍進する若手。普通にでる世界選手権種目別金メダルクラスの超高得点。飛び交う超高難度技。勢いが違います。やはり体操ニッポン凄いです\(^o^)/

今日は素晴らしい演技をたくさん見ることが出来て感動しました。
5月5日のNHK杯でも引き続き全力応援していきます。
頑張れニッポン\(^o^)/